アリストテレスの論理学について納得する記事を見つけた。
アリストテレスの論理学は論理学であると同時に言語学でもある。アリストテレス論理学のいろいろな概念も、言語の論理的構造に関連していると考えると分かりやすいのではないだろうか。 例えば、カテゴリー論の第1章は、同音異義個、同音同義語、派生語について述べられている。言語の最小単位としての単語の働きの分類をしているのだ。 同音異義語とは、単語(記号表現)と意味(記号内容)の恣意性を表しているし、同音同義語とは記号表現と記号内容との関係が普遍的に安定している場合を示している。派生語は古代ギリシア語の特徴だが、同じ概念が派生語という文法によって拡張される。しかし、派生語も単語として扱われるので論理学の最小単位だ。 統語論と意味論は現代論理学の重要な関心事であるが、おなじことが名辞論理学についても言えるのではないだろうか。名辞論理学にも統語論と意味論が適用され、統語論の構造には命題論理や述語論理にも負けない緊密な論理構造があるのではないかと思う。 名辞論理学には歴史的論理学では片づけられないような魅力がある。現代風に整理された「記号名辞論理学」があってもいいような気がする。
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by tnomura9
| 2024-02-17 12:14
| 命題論理
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Weblio で「明晰」を引いてみた。
めい‐せき【明×晰/明×晳】 1 明らかではっきりしていること。また、そのさま。「—な文章」 2 論理学で、概念の外延が明確で他とはっきり区別できること。明白。→判明 管理人の論理学や哲学に対する興味はこれに尽きるような気がする。論理学に興味を持ったのは、高校のときに数学の教科書がまったく理解できなかったからだ。 理解できないものを理解できるようにする方法は、理解できないものを明晰に理解しているものに分解する、あるいは、関連付けることだ。 例えば、箱入り娘のパズルを闇雲にやっても解けないが、コマの移動の可能性のパターンについて理解できれば、それを組み合わせることで盤面をコントロールすることができる。 この場合、パズルの解法は明晰ではないが、コマの移動のパターンは明晰に理解できているのだ。 自分にとって明晰なものは何かを知っているということは、工作で使い慣れた工具をたくさん持っているようなものだ。 #
by tnomura9
| 2024-02-16 01:44
| 考えるということ
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「ポール・ロワイヤル論理学」アントワーヌ・アルノー、ピエール・ニコル著 山田弘明・小沢明也訳 法政大学出版局
を買った。論理学の本だけれど縦書きだった。前書きと本文をパラパラと呼んだだけだが、著者の明晰さと公平な人柄が感じられて楽しかった。訳文が自然な日本語だったのもうれしい。 原著の題名は、 「論理あるいは思考の技法」 だ。著者は思考の技法について、 「この技法は、自らの精神の4つのはたらきを反省することにある。すなわち、「認知する」concevior、「判断する」juger、「推理する」raisonner、「秩序づける」odonner である。」 と述べているが全く同感だ。 この本の魅力は、論理学の本であるにもかかわらず、例示として挙げられた魅力的な文章の数々だ。たとえば、 「愛すると同時に賢明であることはありえない。」 などという例文が挙げられていると、この例文を知るためだけでもこの本の価値があるような気がしてくる。論理学の本であるが、論理学にとどまらず読む楽しみをあたえてくれる。
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by tnomura9
| 2024-02-15 14:28
| 命題論理
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難しい本を読むときは、ノートに注釈と背景知識を記述するのが欠かせない。
本の著者は文章で自分のアイディアを伝えようとするが、読者が読むことができるのはその文章だけで、著者の頭の中を知ることはできないからだ。 著者と読者が共有できるのは文章だが、本当に伝わってほしいのは著者の頭の中のアイディアだ。本質的に読者は著者の頭の中を覗くことはできないので、著者が何を伝えたいかを文章から推測することしかできない。 著者の頭の中を推測するには、自分ならどんな書き方をするだろうかと考える、あるいは、著者の頭の中のアイディアと思われるものを自分の頭で組み立ててみるという作業が必要になってくる。その際に、書物の文章に書かれていない情報についての知識が絶対に必要なのだ。 ノートにきちんとした注釈や、背景知識を集めたり整理したりすることは、実は読書のための重要な作業だったりする。面倒なのであまりやらないけれど、そういうノートは本当に価値のあるものになるだろう。本の内容を箇条書きにしただけのものは本当のノートとは言えない。 注釈や背景知識だけでなく、読書の過程で湧いてくる疑問も重要だ。疑問がでてくるというのは自分がその知識を自分のものとして消化しようとしていることの証拠だ。文章の内容を能動的に探索するときは疑問や質問が発生するものだ。 結局のところ、読書の必須の技術とは自分の言葉で本の内容を表現することだ。 読む技術は、書く技術だ。
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by tnomura9
| 2024-02-13 22:52
| 考えるということ
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三段論法はアリストテレスによって発見された。しかし、アリストテレスの論理学は、現代の命題論理学や述語論理学とは異なる名辞論理学である。 名辞論理学についてWeb検索をしてもまとまった記事は得られなかった。しかし、それでもわかったのは、名辞というのは概念を表す名前のことだ。動物や人間などの主語になる名辞だけではなく、死すべきものであるというような述語になるようなものも同等に名辞として扱われる。 名辞論理学では、このような名辞の間の包含関係を取り扱う。人間という概念は、動物という属性を持っている。さらに動物という属性には死すべきものという属性がある。したがって、人間という概念には動物であるという属性とともに死すべきものという属性が伴っている。 述語論理学のような個体と述語の関係を持ち出すことなく、また、主語と述語の性質を区別することなく、概念の包含関係のみで論理的推論を行うことができる。 「すべて」とか「ある」というような量化子も存在しない。それらは「全ての動物」とか「ある人間」というような名辞で表すことができる。 名辞論理学の構造はこのように単純で、ある意味、命題論理や述語論理などと比べても簡潔な取り扱いができるようだ。 述語論理のような領域や個体の記述をしなくても良い分、自然言語処理のプログラムがしやすいという記事もあった。決して過去の遺物として捨て去ることのできない特性があるように見える。 まとまった名辞論理学の本があれば読んでみたいと思った。ポール・ロワイヤル論理学が集大成のようだが、日本語訳はあるのだろうか。
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by tnomura9
| 2024-02-12 19:19
| 命題論理
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