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ソースを読むコツ その2

プログラムのソースを読むときに大量に見られる if 文の大半はエラーや例外の処理だ。したがって、最初にソースを読むときはそれらの if 文の大半は無視してよい。

プログラムの作者がソースを作るときも、最初から完成されたものを作るわけではなく、基本的なアイディアを表現した単純なプログラムに、デバッグの過程で発見されたエラー処理や例外の処理を付け加えているはずだ。そうして、それらの例外処理が、最初の基本的なプログラムを覆い尽くすくらい大量に発生するということは容易に考えられる。

そうであれば、ソースを読むときも、ソースが作成された順番に読んだほうが理解が早くなる。つまり、基本的なアルゴリズムを記述した部分を見つけたら、とりあえず派生的に発生した例外処理はすっぱりと無視することだ。作者の基本的なアイディアが理解できたら、それから、例外処理がなぜ置かれているのかを考えていくと分かりやすくなる。完成されたソースを読むのではなく、作者のアイディアが発展した順番に読んでいくのだ。

これは、普通の文章を読む際にも適用できる。大部の文章も、一文で要約できるような基本的なアイディアを拡充して作られているからだ。つまり、完成された文章を理解しようとするよりは、著者の立場になって、著者のアイディアが広がっていった順に読んでいくほうが理解が早くなるのだ。

人間は意識に上っていることしか思考できないし、意識のワーキングメモリーは高々7個だ。複雑な議論を展開している著者も、最初は簡単なアイディアから出発しているに違いない。そうであれば、その最初のアイディアのほうを抑えてしまって、著者の考えが進展した順番に理解していけば、楽に理解することができるのだ。
by tnomura9 | 2008-01-04 07:41 | 考えるということ | Comments(0)
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