知っているようで知らないこと。その2。マイナス×マイナスがなぜプラスになるか。
まず、(-1)×(-1) = 1 を証明する。 (1 + (-1))×(-1) = 0×(-1) = 0 したがって、 1×(-1) + (-1)×(-1) = 0 -1 + (-1)×(-1) = 0 よって、 (-1)×(-1) = 1 任意の負数×負数が正数になることの証明 任意の正数 a, b について、 (-a)×(-b) = (-1)×a×(-1)×b = (-1)×(-1)×a×b = a×b よって、 (-a)×(-b) = a×b 管理人も、マイナス×マイナスがなんでプラスになるのか分からずに随分悩んだほうだ。借金に借金を重ねて財産になるわけがないと納得がいかなかった。結局分配法則を負数に拡張すると自然に導かれる結論なのだが、上の議論くらいなら中学生にだって分かりそうなのに、どうしてはじめから教えてくれなかったのだろう。 数の世界が先にあって、その中に計算法則があるのを発見するというのが通常の考え方だが、数を自然数から、負数、実数、複素数と拡張していくときは、逆に、計算法則が成り立つように数の世界を作っていく。数と計算法則の関係の逆転現象が数学らしくて面白い。 数学の面白さは、こういう、視点の「コペルニクス的回転」が随所で見られることだ。数学の証明を追っていくのは面倒だが、視点を変化させることで、複雑なことが単純化されたり、思ってもいなかった世界が開けていくというセンスは、一般のことにも応用できそうな気がする。 しかし、何で負数にも分配法則が成り立つのだろう?
by tnomura9
| 2007-05-12 03:57
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