全称量化子のついた次の論理式は真理値をもつ命題だ。述語ではないのでこの論理式の真理集合はない。 ∀x(P(x) -> Q(x)) しかし、この命題が真となるのは、述語P(x) と Q(x) の間に関連性がある場合だ。言い方を変えると、真理集合 P と Q の間に関連性がある。そのことを求めるために、述語 P(x) -> Q(x) を領域 D の対象 a に適用してできる次の命題について考えてみる。 P(a) -> Q(a) これは、原子命題 P(a) と Q(a) が論理記号 -> で結合された複合命題なので真理表を作ることができる。 P(a) Q(a) | P(a) -> Q(a) True True | True True False | False False True | True False False | True 領域 D のすべての対象 a について、P(x) -> Q(x) を適用させても、命題 P(a)、Q(a) の真理値のとり方は上の真理表の4つの行に集約される。したがって、 ∀x(P(x) -> Q(x)) の真理値は、P(a) = True, Q(a) = False となる場合が一つでもあれば False でそういう場合が一つも無ければ True である。したがって、∀x(P(x) -> Q(x)) が True となるのは、P(a) = True, Q(a) = False が起きない場合だ。 まず、P(a) = False のときは Q(a) の真理値がどうであれ P(a) -> Q(a) は True なので問題ない。しかし、P(a) が True のときは P(a) -> Q(a) が True になるのは Q(a) がTrue のときだけである。したがって、∀x(P(x) -> Q(x)) が真になるのは P(a) = True ならば Q(a) = True の場合で、また、そのときに限ることが分かる。すなわち、 P(a) = True ならば Q(a) = True これを集合の表現に置き換えると、 a ∈ P ならば a ∈ Q すなわち、 P ⊂ Q である。∀x(P(x) -> Q(x)) が真であることと、真理集合 P, Q の間に P ⊂ Q の関係があることとは同値なのである。
by tnomura9
| 2022-08-01 01:24
| ラッセルのパラドックス
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