実数と有理数の根本的な違い

0から1までの区間について考えてみる。この区間に2点の実数をとると、その間には必ずその2点とは異なる実数が存在する。どんなに最初の2点の間隔を狭くしても事情は異ならない。実数の場合隣り合う点は存在しない。なぜならどんな2点でもその間に点が存在するからだ。

ところが、実数のこの性質は有理数も持ち合わせている。有理数の場合もどんな2点の間にもその2点とは異なる有理数を見つけることができるからだ。しかし、有理数は自然数と濃度が等しいが、実数はそうではない。一体どこが異なるのだろうか。

0から1までの有理数はぎっしりと詰まっている(稠密)。しかし、有理数の一点は分母と分子というペアの関数としてあらわすことができる。分子と分母が確定すれば、有理数の値は確定する。そうして、分母と分子はそれぞれ自然数である。自然数は1から始まって列挙していくことができるので、分子と分母の値を交互に増やしていけば、すべての有理数は列挙できる(数えつくすことはできないが)。

ところが、実数を無限小数であらわした場合実数の一点とは無限次元のタプルからの関数になる。このため、実数の一点には常に確率的な揺らぎが伴っている。無限次元のタプルを確定することができないからだ。つまり、実数には有理数の意味での一点は存在しないのだ。それは、本質的にある範囲の確率の中にあるとしかいえない。

このように実数は有理数の意味での一点として扱うことができないことが、加算な集合と非加算な集合の濃度が異なる理由だ。

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by tnomura9 | 2016-01-16 16:32 | 考えるということ | Comments(0)
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