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Emmet を使って思ったこと

この連休を丸々使って Emmet の実験をしたが、それで思ったことが2、3ある。一つは、コンピュータプログラムのソースコードのキー入力数と可読性のトレードオフだ。Linux のシェルコマンドは英字でせいぜい4文字くらいまでのものが多い。それより多い場合は Tab 補完を頻繁に使う。頭の中の実現したいアイディアはせいぜいそれぐらいの文字数で実現したいからだ。26文字の4乗でも 456976 個の要素数になるので、プログラムを表現するには十分な量だ。

しかし、短いコマンドがたくさんになると、可読性の問題が発生する。ソースコードが暗号になってしまって、一体何が書いてあるのかわからなくなってしまう。CSS や JavaScript の関数が、やや冗長な表現になっているのは、可読性に配慮したからだろう。ソフトウェア開発ではプログラムを作成する量の何倍ものソースコードを読まなければならないからだ。

しかし、関数の名前が長くなればタイポの発生が問題になる。1字でも前後が違っていれば、ソフトウェアは全く動かない。デバッグに使う時間の大半がタイポのせいだということも多いだろう。略号は短いのでタイポの発生が少なく、タイポによるバグの発生をかなり減らしてくれる。DOM 関連の関数、例えば、d_ocument.getElementById() も d.ge#idname で入力できればどんなにいいだろう。

Emmet は略号をリアルタイムで展開してくれるので、入力が減る割には、可読性が低下しない。略号を入力するが、作成されるのは展開された正式の表現なので読みやすいのだ。また、展開のたびにマッチングした記述ができるので、終了タグの記入忘れのためのバグも発生しづらい。Emmet が担当する略号の展開という作業は、タイプ量の減少と可読性の確保の両者を解決する画期的な方法のようだ。

Emmet の次期バージョンが、JavaScript コンテキストの略号を開発してくれれば、HTML+CSS+JavaScript のプログラム開発がそれは楽しいものになるのではないだろうか。

by tnomura9 | 2016-01-11 22:42 | JavaScript | Comments(0)
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