トポスでの自然数対象の加法のダイアグラムは次の2つの可換な射で定義されている。すなわち、
<idN, ζA> : N -> N × N +E : N × N ->N idN × σ : N × N σ : N -> N という4つの射について、次の2つの射の可換がある。 1) idN = +E . <idN, ζA> 2) σ . +E = +E . (idN × σ) これらは普通は対象と射のダイアグラムで表されているが図を書くのが面倒なので、射の可換式で代用した。 N を自然数と0からなる集合 N = {0, 1, 2, ... } と考えると、可換式 1) は、n ∈ N について、 n `+E` 0 = n つまり、単位元 0 があることを表している。 また、2) の可換式は、 (+1) . (n `+E` n) = n '+E' ((+1) n) であることを表している。わかりやすいように普通に書くと、 (n + m) + 1 = n + (m + 1) で 1 を加える計算について結合法則が成り立っていることを示している。そうすると、 (n + m) + 2 = (n + m) + (1 + 1) = ((n + m) + 1) + 1 = (n + (m +1)) + 1 = (n + ((m + 1) +1) = n + (m + 2) となるから n, m, 2 の加法に関する結合法則が成り立つことが言える。したがって、任意の h についても (n + m) + h = n + (m + h) が言えることがわかる。 圏論の抽象的なダイアグラムも適当な具体例を当てはめることでその性質がずいぶんわかりやすくなる。
by tnomura9
| 2014-05-16 13:04
| 圏論
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