阿部首相がイルカ漁を擁護して、文化の違いなのだから容認してほしいと発言したということだが、この人は外交に対するセンスが全くないのではないかと疑いたくなる。
イルカについては人間より体重比の大きい脳を持ち、近年は言語を持っている可能性も指摘されている。欧米のイルカ保護の立場はこれらの科学的発見から、イルカを人間に準じる物と考えているのではないだろうか。そうであれば、イルカ漁に対する批判は、人権に準じる大きな問題としてとらえているのかもしれない。 そうであれば単に文化や習慣の問題として片付けることはできなくなってくる。反論するにしても相手の論点を十分に理解した上で、それに対する発言をしていかなければならない。 朴大統領の慰安婦についての執拗な攻撃も、女性が戦争の道具として使われたということに対する非難を含めているのかもしれない。そうなると、韓国ではもっとひどいことをしているとか戦争にはつきものだという反論は論点がずれている。 どんな事情があったにせよ売春婦の立場というものは自分ですすんで選択するような代物ではない。それについての遺憾の意ははっきりと表明し、(だからといって制度的に売春を強要したなどという捏造記事に基づく根拠のない非難や過去の政府間で解決済みの賠償に応じる必要は全くない)、戦後の自衛隊についてはそのような物は一切ないことを表明する必要があるのではないだろうか。 韓国の執拗な攻撃によって、日本もきちんと主張すべき所は主張していかなければならないことは明らかになった。しかし、その主張が内輪の納得でしかないのであれば、日本にたいする世界の評価が下がるだけだ。少なくとも相手の論点を理解して、それに対する適切な発言をしていくという最低限の努力はしていかなければならない。 日本の第二次世界大戦の顛末をみていると、このような内向きの判断による対応の間違いが随所に見られるように思うが、その教訓が生かされていないのではないだろうかと不安になってくる。また、戦後の慰安婦問題に対する日本人によるねつ造記事がこれだけの禍根をのこしているのを見ても、言葉がもたらす結果の重要性というものにもっと敏感になる必要がある。
by tnomura9
| 2014-01-25 22:59
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