農産物の貿易自由化について反対する意見が多いが、自由化はそんなに不利な事なのだろうか。以前、雑誌で、中国産の野菜は残留農薬の濃度がとても高いため、中国の富裕層は日本の野菜を購入しているというのを読んだことがある。牛肉にしても日本の牛肉は米国でも評価が高いらしい。
貿易自由化で外国産の安い製品が国内の製品を駆逐することを恐れるよりも、国内でとれすぎて処分しなくてはならない農産品を効率的に海外で販売する事を考えた方が良いのではないだろうか。国内の市場ばかり見ているから、せっかくの豊作を活用できない。海外に販売することができれば、豊作で増加した収量をそのまま換金することができる。 それができないのは、生産者が外国語ができないし、製品を外国に販売する方法を知らないからだ。したがって、政府のやるべき事は、所得補償よりも農産品を海外で販売できるようにするシステムを作り上げることなのではないだろうか。宮崎県では、新玉ねぎを東京に空輸している。同じ事を、韓国や中国にできないはずはない。 日本は製品の製造技術には優れているが、販売ができないと言われる。しかし、優れた製品があるのなら、販売のシステムがあれば売れるのではないだろうか。製造者が販売しようとするから売れないので、販売に特化した会社があればそれに委託して売ることができる。農産品に関わらず、いま政府がしなくてはならないのは、これらの製品を海外の市場で販売することのできるルートを作り上げることだろう。日本の製品の見本市を定期的にアジアで開くくらいの意気込みが欲しい。 製品が売れないから雇用がないので、製品が売れ始めれば雇用は自然に増えてくるはずだ。 雇用問題は、海外の市場への販路を作ることと、語学や貿易のノウハウを教育して海外に出て行くことに抵抗感を持たない若者を育て上げることで、自然に解決されていくのではないだろうか。
by tnomura9
| 2011-01-15 00:38
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