ブレイン・マシン・インターフェース

このところフリック入力ばかり練習しているので、久しぶりに NetWalke をいじってみたら、親指でキーボードを操作するのが下手になっているのに驚いた。

iPod touch のフリック入力も片手で持って、親指で入力するようにしているので、親指の動きの記憶が干渉しあって、NetWalker の QWERTY 配列を忘れてしまったようだ。両手打ちで打つときは特に何も考えずにローマ字入力していくことができるにも関わらず、親指で入力しようとするとキーの位置すらすぐには出てこない。

それで気づいたのは、文字入力のデバイスについて考えるときに、ハードウェア的な性能の問題だけでなく、そのハードを操作する人間の脳の働き方の問題についても考慮する必要があるということだ。目に見えるキーボードだけでなく、それを操作するときの脳の働きがどうなっているかについても考えなければならないということだ。

つまり、キーボードで文字入力するときは、キーボードの配列についての脳のマッピングがされていない限り上手に入力することができない。いいかえると、入力のデバイスを考えるときに、脳とマシンのインターフェースについて考えなければならないということだ。

脳の動作の基本は連想だ、したがって、文字入力デバイスを考えるときに、脳の連想が働きやすいような配列なり動作なりを考える必要があるということだ。

例えば QWERTY キーボードは ABC 順ではなく、わざとバラバラな配列にしているように見える。

もし、ABC 順の配列になっていると、必要な文字を探すのにシークエンシャルな検索になりやすい。例えば p を入力するのに Aから始めて16文字をたどらなければならない。しかし、文字の配列を完全にバラバラにしてしまうと、その文字の空間的な位置との対応でしか文字を拾い上げることができないので、検索はランダムアクセスの1対1になり、学習に時間はかかるが、タイプ入力の時間が飛躍的に短縮する。

携帯電話の入力は、携帯電話に使えるキーの数が限られているために、キーボードの代替として考えられたものだが、そのことによって入力デバイスを新たな観点から眺めることができることになった。フリック入力とQWERTYの親指入力の使用感の差は、キーの数が極端に違うことによって生まれる。タイプミスの機会は、キーの数が少ないほど発生率が減るということだ。

QWERTYキーボードから両手で入力しているときは、キーボードの数が多くても、担当する指が決まっているために、それほどミスタッチの機会は多くない。しかし、親指入力で入力する場合は全てを親指で管理しなくてはならないためミスタッチの機会が増えてしまう。

フリック入力の場合は、文字種を10のキーに分類してしまったため、QWERTYの親指入力と比べ、キーの数を極端に減らすことができ、ミスタッチを減らすことができたのだ。

もうひとつは、脳は連想で動くということだ。フリック入力では、子音別に9個のキーにグループ化されているが、そのグループ内でも音韻別に5つに分けることができる。また、子音の違うキーの間でも、母音の共通なものは中心となるキーにたいし同じ方向に配置されている。したがって、「せ」と入力するときも「さ」のキーの母音が e のものはキーの右方向にあるので推測ができるのだ。

このように、文字をキーで入力する際には、キー数の制限によるミスタッチの抑制と、脳の連想に合わせた文字の配列という二つの要因が少なくとも考えられる。

フリック入力が究極の入力デバイスかどうかはわからないが、文字入力のデバイスは、機械的な機構の工夫と同時に脳の動作のメカニズムを考慮した工夫が必要となってくる。
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by tnomura9 | 2010-01-17 15:53 | NetWalker | Comments(0)
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