片手入力の要件

モバイル機器で一番問題になるのは、文字入力をどうするかということだろう。文字入力の効率からいうと、フルキーボードが一番だが、大きなキーボードをスマートフォンと持ち歩くわけにもいかない。

モバイル機器の文字入力を考える上で一番の問題となるのは、文字種の数に見合うキーを準備できないということだ。アルファベットの小文字だけでも26種ある。モバイル機器の小さなエリアに26個ものキーを詰め込むことはできない。

キーの数が取れないとなれば、当然、一つのキーに複数の文字を割り当てることになる。そうなると、あるキーを押した時にどの文字が入力されるかを確定するための何らかの工夫がいる。たとえば、シフトキーを使ったり、押すごとに文字を変更するという方法がとられる。

どちらの方法も本質的には、文字をキーの押さえ方に変換する符号化だ。シフトキーと文字キーを同時に抑えるのは、2つのキーの組み合わせに文字を対応させているし、携帯電話のように同じキーを何回か押すのは、キーとそれを押さえる回数によって文字を符号化していることになる。

極論をすれば、8ビットで256種の文字をコーディングすることができるから、106キーボードの文字はすべて8個のキーがあれば入力できることになる。しかし、文字をキーコードで覚えて入力するのは不可能だ。人間がどれだけ自然に覚えて使うことができるかという、人間の側の要因がはいってくるからだ。

モバイル機器の片手入力デバイスは、無理な要件を要求しているように見えるが、すでに、効率的とはとてもいえない携帯電話の入力方式は一般に浸透してきている。これから、スマートフォンやタブレットコンピュータの普及に伴って、片手入力の新しい工夫も出現してくるような気がする。
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by tnomura9 | 2010-01-08 12:58 | NetWalker | Comments(2)
Commented by にゃお at 2010-01-08 15:25 x
はじめまして。だいぶ前からこちらの記事を楽しみに読ませていただいています。
最近の片手入力ではiPhone/iPod touchの「フリック入力」がなかなか面白いです。二週間ほど練習が必要でしたが今はほぼ日本語なら不自由なく入力できるようになって、なかなか快適です。タッチパネルならではのユニークな入力方法だと思います。
Commented by tnomura9 at 2010-01-08 17:57
にゃおさん、コメントをありがとうございました。
早速フリック入力を検索してみました。下のURLで動画をみました。
http://wayohoo.com/ipod/tips/frick-training.html
これだけのためでも iPhone が欲しくなりますね。かみさんとの交渉が大変になりそうです。
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