今日の日経の技術ウォッチのコラムに「多能工ロボ開発加速」という記事が出ていた。
カメラやセンサーを取り付けたロボットが、手首の工具を切り替えながら部品から完成品を作り上げるのだそうだ。少量多品種の時代になって普及してきたセル生産方式の作業を一台のロボットでやってしまう。試作品の段階でも、スイッチ製品を組み立てるのに人間なら1分かかるところを15秒で仕上げてしまうらしい。また、別のロボットでは動作を教える時間が従来の1時間から3分に短縮した。また、最適動作を計算する理論の開発も進んでいる。そうすれば、熟練工のカンに頼っていた最適動作が、瞬時に計算できるようになる。 生産の現場から人影が消えるのもそう遠くはないかもしれない。そうなると、人間に求職可能な分野が、高度な知的作業や、営業や、医療と介護、運送のようなサービス業に限定されていく可能性がある。サービス業に適性のない人の就職はどうなるのだろうと思ってしまう。 少子化対策を年金を支えるための要員確保の視点からしか見ていないと、予想される将来の求職減にどう対応していくつもりだろうか。ベーシックインカムは予算的に絵に描いた餅のように思えるかもしれないが、年金や生活保護などの生活保障を一元化して税金をそれに当てるようにしないと大変なことになる。 生産を機械が分担するようになったとき、何が企業にとってのメリットになるだろうか。それは、治安ではないだろうか。自分の会社に不審者が入る心配がなくセキュリティに経費を使わないで住むという利点は目に見えないが重要なことだ。ベーシックインカムを実施するためには企業がかなりの負担をしないといけないだろう。しかし、それが、国全体の安全を買うことであると考えると、そう大きな負担にはならないだろう。 21世紀の生産の要件は、水と希少資源と安全ということになるのではないか。
by tnomura9
| 2009-10-24 07:48
| 話のネタ
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Comments(2)
はじめまして。検索で来ました。
ベーシックインカムについては、実現を探る会のホームページが充実しています。メルマガもあります。 どうぞご参考になってください。
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by
tnomura9 at 2009-10-24 16:24
BI Lover さんコメントありがとうございました。
さっそく、実現を探る会の、関曠野さん講演録「生きるための経済」を読ませていただきました。読みながらワクワクしました。クリフォード・ヒュー・ダグラスの社会信用論(Social credit)についてはじめて知りました。理想とか倫理とかの観点からでなく、経済の仕組みの分析からベーシックインカムのような制度が論じられているのに感銘を受けました。これから度々読ませていただいて勉強したいと思います。 ありがとうございました。
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