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非貨幣経済 その2

所得格差の現況は貨幣経済、特にお金がお金を生む金融市場の行き過ぎた発達ではないかと思ったのでそれに対するアンチテーゼとして非貨幣経済ということばを使ったつもりだったのだが、既に概念として流布していたようだ。


貨幣経済の利点は、本来多様である生産物や価値観を貨幣に換算することによって抽象化し、互いの交換を容易にしたことだ。これによって様々な経済活動が標準化されその相互作用が円滑に行われるようになる。しかしながら、それゆえに逆に全てのものが貨幣価値で評価されるようになり、生産物の本来の価値が評価されなくなってしまう。絵画はその芸術性よりも価格が何百万円であるかで評価されるようになる。

そのこと自体は問題はないが、貨幣にはもう1つの顔がある。それは、貨幣を通じての支配だ。貨幣は様々な必需品と交換されるため、人々の生活の全てが貨幣に依存するようになってしまっている。そのため資本家は貨幣によって容易に他の人の労働力や、ある意味人生そのものをも支配できることになる。そのため社会が、貨幣によって支配される大多数の人々と、その人達を貨幣によって支配する少数の資本家に二極化していくのは当然の流れだ。

しかし、この傾向は結局社会全体のシステムの機能不全を起こし、最悪社会全体の混乱と崩壊につながっていく可能性がある。この社会全体の崩壊を防ぐための方策は支配するものの側に委ねられているが、歴史を見ると彼らはその土壇場までそれが起きることを予見できないことが多い。トランプ大統領も盲人を手引する盲人でなければいいのだが。

ICT の発達とともに現れてきた非貨幣的な価値に重きを置く考え方は、貨幣経済の欠点を補うために現れたわけではないが、貨幣経済のいびつさに光を当て、それが不可避的に崩壊へと向かう流れを変えてくれるかもしれない。


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# by tnomura9 | 2016-11-14 23:32 | 考えるということ | Comments(0)

非貨幣経済

資本主義の必然的結果である所得格差の原因は貨幣経済だ。

貨幣経済の社会では、物、労働力、工芸、知識などが全て換金される。このような社会では、お金を持っていれば買えないものはない。また、金融などお金がお金を生む仕組みも現れてくる。世の中の全てのものがお金に替えられるのでお金を稼ぐのが上手い所へはお金が集まり、そうでないところからは出ていくばかりで少なっていく。聖書の「おおよそ多く持っているものには更に与えられ、持っていないものは持っているものまで取り上げられるだろう。」という言葉の通りだ。

貨幣経済は便利なものだが、しかし、全てのものがお金に替えられる過程で抜け落ちてしまうものがある。それは物そのものの価値だ。形の歪な人参や手仕事の刺繍のついたハンカチは値段がついても二束三文だろう。しかし、人参はカレーにしたら素晴らしく美味しいし、素朴な味わいのハンカチは心を和ませるだろう。だが、それらが商品として値踏みされるときにその価値は無に等しいものになってしまう。

要は、これらの物を貨幣を介さないで物々交換してしまえる仕組みがあればいいのだ。例えば、物々交換しかできないフリーマーケットを開催して、換金化によって価値が抜け落ちてしまう物どうしをその本来の価値を保ったまま交換するのだ。お金が産んだお金に生活までも奪われてしまわないためのささやかな工夫だ。また、フリーマーケットでなくても非貨幣経済を実現する非メインストリームの経済の仕組みを工夫することはできるような気がする。

GNU や Linux のようなオープンソースの活動も貨幣経済から独立したサブストリームの経済活動の一つではないだろうか。そこではソフトウェアの開発の報酬はお金ではなく、そのような開発に自分も参画できたという満足感だ。貨幣価値とは違う価値基準で運営されており、それが成功している。

また、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方良しも短期的な利益より信用を重んじる考え方で利益至上主義とは一線を画している。

クラウドファンディングもそうだ。不特定多数の人の少額の投資を受けることができるために創業者は投資家による支配を受けずに自由に製品開発を行うことができる。そこで重要視されるのは投資が利潤を生むかではなく、開発者と製品に対する投資家の信頼だ。

むき出しの資本主義がエゴイズムの経済学だとすると、これらは非エゴイズムの経済学と言えるだろう。トランプ大統領によって米国がエゴイズムの経済学を推し進めるなら、日本は非エゴイズムの経済学でその荒波を乗り切るという方法も取れるのではないだろうか。

生物の生態系でも多様性を失ったシステムは機能しなくなる。アダム・スミスの「神の手」にも需要と供給以外に産業における多様性がまだ十分に機能していたのではないだろうか。しかし、貨幣経済が他を駆逐してしまったときに「神の手」がもはや機能しないという事態にならないだろうか。

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# by tnomura9 | 2016-11-13 08:27 | 考えるということ | Comments(0)

トランプ大統領

トランプ大統領誕生にびっくりしたが、その背景には歴史の必然性があるのかもしれない。それは、サイレントマジョリティの反乱だ。

一般市民は自分の生活が成り立っていれば政治のような面倒くさいものには口を出したがらないものだ。難しいことはエリートに任せておいて成り立っていれば、少々それらの人たちが権益を利用していい思いをしても気にならない。中心になる関心毎は、自分の仕事をどううまくやっていくか、家族をどう守っていくかだからだ。今の米国では、庶民のそのようなささやかな幸福すら奪われている大多数の人達がいるということなのだろう。

国民が国家に望むのは、経済的な生活の保障と安定した社会による安全の保障だが、それすらも今の米国では危うくなっているのかもしれない。

労働者と資本家の財力の乖離は必然的に発生するが、それが究極まで進んで行くと社会の制度の機能そのものが破綻するというマルクスの洞察は依然として真理であるのだろう。

その解決方法としての共産主義は機能しなかったし、福祉と技術革新で命脈を保ってきた資本主義もその馬脚を現し始めている。社会の安定を担保するためには、社会制度についての慎重かつ大胆な改革が必要になってきているのかもしれない。

一般市民が望んでいるのは贅沢でもないし施しでもない。自分の創意工夫が社会に受け入れられている、自分は誰かに必要とされている、という社会参加の意識と、それに対する適切な報酬だからだ。それを社会制度に取り込むためには、税金の計算や支出の削減などの数字屋の発想を超えた新しい観点が必要となるだろう。

日本も他人事ではない。

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# by tnomura9 | 2016-11-11 08:34 | 考えるということ | Comments(0)

Google 日本語入力

Mac で Dvorak 配列で日本語入力するのに ca -> か、ci -> き、cu -> く、ce -> け、co -> こ、cya -> きゃ、cyu -> きゅ、cyo -> きょ、と変換したかったが、Mac の IME ではローマ字テーブルの編集が面倒だったので、Mac 用の Google 日本語入力をインストールした。

入力メニューの [環境設定...] - [ローマ字テーブル] - [編集] をクリックしていくとローマ字テーブルがあらわれるので上書きをして OK ボタンをクリックするとテーブルの編集ができる。

Mac については、これで Dvorak 配列のみで不満がなくなった。

この記事も Dvorak 配列で書いている。Qwerty との干渉はやはり起きてきたので、Mac は Dvorak、Windows は Qwerty と使い分けている。Dvorak 配列を練習し始めたのが11月3日だったから1週間で文章が打てるようになったことになる。1ヶ月もすれば趣味の範囲では不自由しなくなる気がする。

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# by tnomura9 | 2016-11-11 00:09 | 考えるということ | Comments(0)

Dvorak 配列記事リスト

Dvorak 配列記事リスト

Dvorak 配列関連の記事リストを作ってみた。この一連の記事を読めば、一週間で Dvorak 配列のキーボードで文章を書くことができるようになる。多分。

実をいうと、管理人は挫折した。Qwertyで腱鞘炎を起こすほどには使っていないので現行で十分だった。日本語の入力で使いずらいキーがあるのと、それに対処するためにいろいろな設定があり設定ごとで違っているのが気になる。ASCII では規格化されているようだが、JIS 規格が欲しい。しかし、面白いので趣味では続けるつもり。



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# by tnomura9 | 2016-11-08 23:55 | 考えるということのリスト | Comments(0)

Dvorak 配列の学習曲線

Dvorak 配列の練習を始めて1週間足らずだが、この配列はタッチタイピングの学習速度が早いのではないかという気がしてきた。

それは、母音と使用頻度の高いキーがホームポジションに集中しているためホームポジションのタイプ練習を重点的に練習することでタイプ速度を効果的に加速させることができるからだ。Dvorak 配列は英文中のアルファベットの出現頻度に従ってキー配列が決められているが、ローマ字で日本語を入力する際も母音がホームポジションにあるため、ホームポジションでの訓練の効果が全体のタイプ速度の効率にかなりの割合で寄与する。

タッチタイピングの習得にはかなりの時間を要するため、新しいキー配列を学習する動機を抑えてしまう。しかし、Dvorak 配列ではホームポジションの訓練がたやすくタイプ速度を加速するため、タッチタイピングの速度を実用的なレベルまで引き上げるまでの時間が短い。一通りのキー配列の学習が終わったら、ホームポジションの訓練を重点的に行えば、それがタイプ速度の向上に直結するため、訓練に対する意欲の増加につながる。

Dvorak 配列のキーの配置の記憶だけなら、このブログで紹介した語呂合わせで覚える方法を使えば数分で覚えられる。

タッチタイピングの速度の増加が急なら、新しい方法を習得するコストのことをそう重視しなくてもよくなるのではないだろうか。その上、習得後はタイプ時の指の負担の軽減とタイプ速度の向上が望める。

Dvorak 配列のタイプ技能習得への挑戦は単なる趣味以上の意義がある気がする。

Dvorak 配列の練習は Qwerty キーボードしかない環境でもできる。Dvorak keyboard training と言う Dvrak 配列のトレーニングのページで keyboard mapping プルダウンメニューから Mapp Qwerty to Dvorak を選択すればキーマップの変換をしてくれるからだ。

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# by tnomura9 | 2016-11-08 06:29 | 考えるということ | Comments(0)

FPGA

FPGA (field programmable gate array) とは現場でプログラムできる論理回路のことだ。

CPU を使えば色々な動作をする論理回路をプログラムすることができる。しかし、CPU 自体をプログラムすることはできないので回路の性能が CPU の性能で制限されてしまう。また、CPU の製造が中止になれば、プログラムが使えなくなってしまう。

しかし、FPGA では、チップの回路そのものがプログラムできるので、CPU 自体をそのチップ上に作ってしまうことができる。特定の機能に特化した CPU をチップ上に乗せて、特殊な機能の高速な並列マシンを作ることもできる。

そのためかどうかは知らないが、オープンソースの CPU 設計まで現れた。RISC-V というのがそれだ。OS だけでなく CPU までオープンになる時代が来た。

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# by tnomura9 | 2016-11-07 08:27 | 話のネタ | Comments(0)

Dvorak 中毒

Dvorak 配列をマスターしたいためだけにブログの記事を探しているという異常事態になった。それというのも Windows パソコンのキーボードを簡単に Dvorak 配列に変えるアプリを見つけたからだ。

このアプリ DvorakJ を使えばキーボードを簡単に Dvorak 配列に変えることができるし、その逆も簡単だ。つまり、Mac についても、Windows についても、Dvorak 配列を使わない理由が全くなくなった。あとはタイピングの訓練をして Qwerty 配列での入力の時のスピードに近づければいいだけなのだ。

既に Qwerty 配列で不自由を感じないで入力できるようになっているのにもかかわらず、どうしてまたわざわざ Dvorak 配列でのタイピングの練習をしようとしているのだろうか。

それはある程度 Dvorak 配列のタイピングができるようになると分かる。ポツン、ポツンと入力できる程度の習熟度でも入力の時の指の移動の距離が圧倒的に小さいのを感じ取ることができる。母音が全てホームポジションにあるせいか、ほとんどの作業がホームポジションで行われているかのような感覚さえ感じる。今こそ入力速度は酷く遅いが、慣れてきたらもう Qwerty 配列には戻れないだろう。

Qwerty 配列が主流なのは、皆が最初に習ったのがこの配列だったからだ。また、Qwerty 配列でのブラインドタッチに習熟するようになるまでの手間を思ったら、新しいキーボード配列に挑戦する気はおこらないだろう。しかし、キーボードはこの先ずっと使い続けるのだ。これからずっと入力の労力が減るのであれば、ここらで少し時間と労力の投資をしても良いのではないだろうか。

追記

先ほど Qwerty キーボードで入力してみたが、圧倒的に速い。Dvorak 入力の練習を始めて4日にしかならないのだから当然なのだが。また、プログラムをエディタで書くときは、コマンドのキーバインディングがばらばらになるので使えなくなる。

しかし、大半の操作がホームポジションでできるという特徴には捨てがたいものがある。おそらく文章を入力する時に活用することになるだろう。

追記その2

結局のところ大多数の人たちが使っているものを使うのが一番無難だろう。デファクトスタンダードだ。また、Qwerty の技能と Dvorak の技能が干渉しあわないかどうかも心配だが、それはないようだ。したがって、Dvorak 配列を利用するにしても、すぐにデフォールトの Qwerty 配列に戻せるようにしておいたほうがいい。結局は好みの問題なってしまうが、しかし、Dvorak の練習は楽しい。

追記その3

Dvorak key board training



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# by tnomura9 | 2016-11-06 16:23 | 考えるということ | Comments(0)

DovrakJ

フリーソフトの DvorakJ を使うと Windows のキー配列を Dovrak 配列に変更することができる。

使い方はダウンロードした圧縮ファイルを解凍したフォルダ内のアプリのアイコンをクリックするだけという手軽さだ。インストールはいらないし、アプリの削除はフォルダごと削除するだけだ。USB にいれて持ち運べばどの Windows パソコンも Dvorak 配列に変身させることができる。

DvorakJ はキー配列を自由にカスタマイズするためのアプリのようで、Dvorak 以外の親指シフト配列などにも使えるようだ。しかし、当面の目的は Dvorak 配列を使いたいだけだからそのやり方だけ紹介する。

まず、DvorakJ のアイコンをダブルクリックすると設定画面が現れる。デフォールトの設定では Qwerty 配列になっているので、これを Dvorak 配列に変える。設定画面の左上のツリー表示の[直接入力]を選択し、画面右の設定ファイルの項目で [選択...]-[参照...]-[data]-[lang]-[eng]-[Dovrak] フォルダから設定ファイルを選択する。Dovrak ファイルは複数あるがよく分からなかったので一番上のファイルを選択した。

[日本語入力] についても同様に[選択...]-[参照...]-[data]-[lang]-[eng]-[Dovrak] フォルダから 一番上のファイルを選択した。

DvorakJ をつかって Windows パソコンを Dvorak 配列にする手順はたったこれだけだ。後は設定画面の最小化ボタンをクリックして設定画面を隠せば、Windows パソコンが Dvorak 配列に変身する。

Dvorak 配列を練習し初めてまだ4日だが Qwerty 配列のときに比べて指の動きがかなり少ない。慣れてくればこちらのほうが快適に感じるようになる気がする。Dvorak 配列がどんなに使いやすくてもインストールが面倒だったり、Qwerty 配列に戻せなかったりしたら、試してみる気はしないだろう。

しかし、DvorakJ なら設定も簡単だし、原状回復はアプリを終了するだけでできる。Dvorak 配列普及のキラーアプリになれそうな気がする。

追記

DvoraK 配列ではか行を入力するのに K キーを使うと不便だ。これは MS-IME のアイコンを左クリックしてプロパティー詳細設定ーローマ字設定で変更ボタンをクリックし、追加で ca をかに、ci をきに、cu をくに、ce をけに、co をこに、cya をきゃに、cyu をきゅに、cyo をきょにせっていするといい。MS-IME でローマ字の設定が変えられるなんて知らなかった。


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# by tnomura9 | 2016-11-06 10:17 | Comments(0)

Dvorak 配列のイメージトレーニング

Dvorak 配列のイメージトレーニングをやってみた。

テーブルの上に両手を置いて、心のなかでタンスと唱えながら右手の中指、薬指、小指で順番にテーブルを叩いていく。この時中指でテーブルを叩くときには t の字を思い描き、薬指で叩くときは n の字を思い描く。小指のときは s の字だ。

次に上段のキーを叩く真似をしながらクリスタルと唱える。この時も、中指のときは c 、薬指のときは r 、小指のときは l の文字を思い浮かべる。

上段の次は下段のキーだ。ウェストヴァージニアゼロと唱えながら w, v, z の文字を思い浮かべる。速度はゆっくりの方がいい。文字がはっきり浮かんだところでその文字に対応する指をしっかりと意識しながら叩くのが大切だ。指を動かすときになんとなく動かすのではなく、思い浮かべた文字に対応するのはこの指なのだと確信できたら指を動かすくらいの気持ちの方がいい。

右手の人差し指についても同じようにする。中段のキーについては、ハードディスクと唱えながらホームポジションの h とその内側の d を叩く真似をする。この時も文字のイメージを思い浮かべた後で確信を持って指を動かすのが肝要だ。同様に、上段のキーについてはゴルフと唱えながら g と f を、下段のキーについては麻婆と唱えながら m と b を叩く。

左手の練習は人差し指から先にする。中断はウィスキーと唱えながら u と i を、上段はパイと唱えながら p と y を、下段はキスと唱えながら k と x を叩く。左手の中指、薬指、小指の練習もする。中段はエオアで e, o, a、上段はピリオド、コンマ、ダッシュで . , '、下段はジャックポットで j q ; を叩く。

これらの訓練はキーボードがあった方が有効だが、なくてもイメージで行うことができる。Dvorak 配列のタイピングの練習はいつでもどこでもできる。

練習のコツは文字のイメージを思い浮かべた後で確信を持って対応する指を動かすことだ。イメージと反応の連結を効果的に行うためだ。イメージと反応の連鎖は練習を繰り返す度に強固となり反応速度が短くなる。この際に連鎖のエラーを極力排除することが連鎖の強化に好影響を与える気がする。

タイピングスキル習得の要件

ブラインドタッチの技術を習得するために、それをいくつかの要件に切り分けて見ることは有用だ。Qwerty 配列のキーボードのブラインドタッチの練習は教本の課題をなんとなく繰り返すことで習得していったが、今回の Dvorak 配列ではそのような方法は取らなかった。

Dvorak 配列という新しいキー配列のブラインドタッチタイピングを習得することについては、意識的に2つの要件に分けると便利だ。

その1つ目はどの文字がどのキーに割り付けられているかを記憶することだ。これは記憶術の問題なので工夫で効率を上げることができる。その工夫とは、分割することと語呂合わせだ。キーボードには100近くのキーが並んでいるが右手と左手に分けてさらに人差し指とその他の指に分けると覚えないといけないキーの数が激減する。例えばホームポジションで右手の中指、薬指、小指に割り当てられるキーは t, n, s の3つだけだ。

語呂合わせも重要だ。t, n, s のような意味のない記号の羅列は記憶するのが難しいが、これを語呂合わせでタンスに関連づけることでとたんに覚えやすくなる。これらの分割と語呂合わせでおそらく数回で主要なキーの配列は覚えることができるだろう。

キーの配列を覚えることができたとしても、すぐにブラインドタッチができるようになるわけではない。ブラインドタッチで活躍するのは英字のイメージに対して指が動いてキーを叩くという反射的な行動だからだ。これはバットのスウィングのような動作的な記憶なので、一朝一夕には形成されない。バッティングの本を読んだからといってバットが触れるようにはならないのと同じ理屈だ。

タッチタイピングをマスターするための第2の要件は、文字から指の動作への反射行動をどのように効率的に形成するかということだ。

このような反射行動の形成の基本は条件反射だ。条件反射は条件刺激に引き続いて行動が起きた時、条件刺激と行動が関連づけられることによって起きる。条件刺激の提示と行動の組み合わせが適切に繰り返されれば条件反射は強化され、逆に条件刺激と行動の組み合わせが不適切な時は条件反射は抑制される。したがって、効率的に条件反射を形成するためにはキーの打ち間違いを極力減らす必要がある。つまり、タイピングの訓練の初期には、速度よりも正確さが要求される。

条件反射の形成には条件刺激と行動の提示が繰り返し繰り返し行われる必要がある。入力の誤りを極力防ぎながら数多くの文章を入力する根気が必要だ。

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# by tnomura9 | 2016-11-05 21:58 | 考えるということ | Comments(0)