昆虫の脳

人間の脳細胞は140億くらいだが、昆虫の脳は100万くらいだそうだ。

それだけの脳で昆虫は、食物を探索し、生殖し、情報を交換し、社会を形作っている。神経回路の基本原理を調べるのは動物の脳より昆虫の脳のほうが便利なのではないだろうかと思って検索してみたら、まさにSFだった。昆虫の脳を模したロボットあり、マイクロマシンで自由行動をする昆虫の神経活動をモニターしたり、脳の秘密が完全に解明されるのも間もないのだろうか。

鉄腕アトムはまだ現れていないが、今まさに21世紀の世界なんだ。

昆虫の脳関係のリンク

筑波大学 神埼・神経行動学研究室
東北大学大学院 生命科学研究科
東京大学 分子細胞学研究所 高次構造研究分野

東芝のオンラインマガジン「ゑれきてる」
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# by tnomura9 | 2005-07-10 12:06 | 脳の話 | Comments(0)

骨折

熊のチンコには骨があるそうだ。人間のチンコには骨がない。

勃起したときは海綿体という静脈に血液がパンパンに溜まって大きくなる。静脈だけだとどんどん膨れていくので、結合組織という硬い線維が静脈の外側を覆っており、膨れすぎを防ぐと共に硬さを保っている。

ところが十分勃起して硬くなっていると、人間の骨なしチンコでも折れることがある。結合組織が断裂してしまうのだ。そうなるとチンコは直径が握りこぶし大に膨らんでしまう。手術して結合組織を縫ってやらないと大変なことになるそうだ。

チンコが骨折した友人を見舞いに行くときは何と言うんだろう。

「やあ、具合はどう?」
「ありがとう、腫れも減って、痛みも治まったよ。」
「たいへんだったね。でも、どうして折れてしまったの?」

とは言えないなあ。
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# by tnomura9 | 2005-07-09 21:27 | 話のネタ | Comments(0)

脳の科学のリンク集

最近、脳に興味が出てきて、いろいろと検索しているが、脳の科学についてはインターネット上に専門の研究者の良質のサイトが多いのにびっくりさせられた。たいへんな作業だと思うが、脳の研究を一般に広めることの重要性を感じてのことだと勝手に解釈している。実際、テレビで報道される殺人や、校内暴力、家庭内暴力、引きこもりなどの事件は、脳についての研究成果を活用することで、違った解決法が見つかるのではないかと思う。

脳の科学のリンク集

慶応大学医学部解剖学教室の電子教科書
神戸大学電子図書館の解剖学講義ノート
東邦大学医学部統合生理学教室のシステム神経生理
京都大学霊長類研究所の脳の世界
岡崎国立共同研究機構 生理学研究所
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# by tnomura9 | 2005-07-08 19:09 | 脳の話 | Comments(2)

ニューロン

神経回路を構成する基本単位はニューロンである。ニューロンは信号の伝わる順に樹状突起、細胞体、軸索、シナプスで構成されている。軸索を信号が伝導するときはパルス状の電気信号であるインパルスとして伝わる。軸索を伝わる信号はデジタルなのである。軸索末端はインパルスによって刺激されて化学物質が放出され、次のニューロンのシナプス後膜を刺激して膜電位を興奮させたり抑制したりする。この部分はアナログである。

何故ニューロンは樹状突起に入力されたアナログ信号をわざわざ軸索でデジタル化し、軸索末端で再び化学物質というような速度の遅い伝達手段にアナログ変換するのだろうか。それにはいろいろな理由があるだろうが、まず第一に軸索を伝わるインパルスは、樹状突起の電位をそのままアナログで伝達するよりは、信号の減衰がなく、また、ノイズにも強いということである。また、信号を途中で増幅する必要がないので機構が簡単で、消費エネルギーも少ないのである。

また、なぜ神経インパルスをシナプスでわざわざ速度の遅い化学物質に変換するのかというと、ひとつはインパルスにデジタル化された信号をアナログ化するためである。したがって、ニューロンは基本的にアナログコンピュータなのである。つまり、樹状突起への入力もアナログであり、シナプスでの出力もアナログなのである。実際、シリコンチップ上に網膜の回路を再現した人工網膜は、アナログコンピュータである。

軸索のインパルスをシナプスで化学物質に変換するもうひとつの利点は、ニューロンの入出力応答特性を伝達物質を変更することによって簡単に変えることができるということである。たとえば、シナプスで放出される化学物質がアセチルコリンであれば興奮性の信号となり、GABAであれば抑制性の信号となる。また、同じ興奮性のアセチルコリンとセロトニンとを比べると前者のほうはすぐに代謝されてしまうが、セロトニンは分解速度が遅く両者の効果の消退の時定数が異なる。

ただ、伝達物質の種類が必要以上に多すぎるようにみえるが、ひょっとしたら発生の過程で神経がふさわしい相手とシナプス結合するためのマーカーのような役目もあるのかもしれない。

動物のさまざまな行動を発現させるのはニューロンの回路であるが、ニューロン単体でも既にいろいろな情報処理が行われているのである。
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# by tnomura9 | 2005-07-07 07:45 | 脳の話 | Comments(0)

日本の鉄鋼業

PRESIDENTの7.18号の中にあった戦後の日本の鉄鋼産業に関する記事が面白かった。戦後アメリカは日本の工業力を大正4,5年のレベルに落とそうと思っていたが、東西冷戦のために日本を「反共防波堤」にするため、工業力、軍事力を高める政策に転換する。しかし、当時の識者たちは、日本は「農業と軽工業で行くべきだ」という意見だった。

「日本は敗戦で資金も技術力もない、国土が狭いので工場をつくる土地がない。鉄鉱石、重油などの資源もない、市場も狭く欧米に販売するには遠すぎて、輸送費が途方もなく高くなる。」


というのがその根拠だった。ところが、実際に鉄鋼業界が行ったのは、

官民一体で口には言えない接待を使ってまでも世界銀行から金を借りた。海浜を埋め立てて臨海に建設用地を作った。欧米の製鉄所は資源に近い内陸部にあったのに対し、臨海の工場は大型船を横付けして直接資源や製品の積み下ろしができた。海上輸送は陸上輸送に比べコストが100分の1なので、アメリカの東部から西海岸に輸送するよりも日本からの海上輸送のほうが安くあがった。帰りは、オーストラリアを経由して、鉄鉱石、石炭などの資源を積んで帰った。また、工場は最新の米国の技術を導入して最先端のものを作った。ただし、通常製鉄所の建設は、コークス炉ー高炉ー連続鍛造ー熱延ー冷延と最初の工程から順に作っていくのだが、日本は、逆に最終工程の冷延から建設した。そして半製品を購入して完成品にして販売し、設備投資の償却がかなり進んだところで、次の熱延に移る。そして、転炉、高炉に進むというやりかたで建設した。設備を遊ばせないので建設資金が3分の1以下になった。


なのである。これを読んだときは思わず拍手をしてしまった。自分にもこんな奇跡を行った人たちと同じ血が流れているとしたら、がんばらなくては。
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# by tnomura9 | 2005-07-06 21:23 | 話のネタ | Comments(0)

ストレス

田中富久子著「脳の進化学」によると、慢性のストレスには女性の方が強いそうである。

ラットの中隔核からはアセチルコリンを分泌する神経が海馬へ投射している。海馬のアセチルコリンは脳の活動を高める働きがあり、空間認知力や記憶力なども高められる。ラットは夜行性なので海馬のアセチルコリンは夜間に高く昼間には低い。

ところが、広いケージで育てたラットを四日間狭いケージに閉じ込めたとき、雄のラットでは海馬の夜間のアセチルコリン分泌量が低下してしまう。しかし、雌では有意な変化が見られない。

また、ストレスのかかっていない雄のラットを昼間一時間手足を板に縛りつけて短時間のストレスを加えると、海馬で多量のアセチルコリン分泌が見られる。しかし、長時間のストレスをかけたあとの雄ではもはや短時間のストレスに反応するアセチルコリンの分泌増加は見られなくなる。しかし、雌のラットに関してはストレスに伴うこのような変化がどちらも全く見られない。短時間のストレスも長時間のストレスも雌のラットの海馬には何の変化も起こさないのである。

スタインベックの「怒の葡萄」では、農業機械に職を奪われ、カリフォルニアに移住しないといけなくなった時、主人公の父親は腑抜けて廃人のようになってしまったのに対し、母親が家族をしっかりと束ねて移住の旅を全うさせるのであるが、さすが、小説家の目は生理学的な現象をも見抜いていたのである。
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# by tnomura9 | 2005-07-05 16:36 | 脳の話 | Comments(0)

側座核

エイメン博士、ラウス博士共著 脳画像で見る「うつ」と「不安」の仕組み 花風社、によると、大脳基底核に問題があると次のような症状がでてくる。

  • 不安になる
  • パニック発作が起きる
  • 不安が身体の感覚になって現れる
  • とにかく最悪の事態を予想しがちになる
  • 人と対立するような状況を避けて通ろうとする
  • 筋肉が張る
  • 震え
  • 細かい動きがうまくできない
  • 頭痛
  • やる気がわかない、または過剰

大脳基底核の活動が過剰な人の SPECT を見ると、それは線条体の場所と一致するようだ。線条体は中脳の黒質緻密層からドーパミンを分泌する線維をうけ、淡蒼球と黒質網状部に GABA を分泌する抑制線維を送る。淡蒼球と黒質網状部からは、上丘、橋脚被蓋核、延髄網様核などに GABA 性の抑制線維をおくる。つまり二重の抑制経路があるため、線条体の興奮が複雑な運動を誘発するのである。

黒質のニューロンが変性して線条体のドーパミンが不足するとパーキンソン病になる。体が硬くなり、姿勢が猫背になり、歩幅が小さくなってチョコチョコという歩行しかできない。また、歩き出そうと思ってもなかなか一歩が踏み出せないし、歩き始めると曲がったり止まったりすることが難しい。また、押されると姿勢をすぐには変えることができないので転んでしまう。また、小刻みに手が震えたりする。

不安が強い場合体が硬直したり、手が震えたりするが、パーキンソン病の症状とにていないこともない。しかし、パーキンソン病の人が強い不安感を持ち続けることはないし、不安神経症の人がパーキンソン症状を起こすわけでもない。

SPECT で見られる線条体の過剰な活動が不安感と直接結びついているわけではないのではないだろうか。脳のドーパミンを分泌する神経は黒質以外に中脳の腹側被蓋野がある、ここの神経細胞は側座核に軸策を送っている。側座核は動物が快感を感じるときの中枢と考えられている。意欲や不安といった情動はこの経路のドーパミン線維の活動と関係があるのではないだろうか、線状体の活動過剰は何らかの形で腹側被蓋野のドーパミン線維の活動と平行しているだけなのではないかと思う。
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# by tnomura9 | 2005-06-28 07:48 | 脳の話 | Comments(2)

無題

昨日突然に友人が亡くなった。

そう付き合いがあったわけではないが、彼との対話を思い出すと、ひしひしと彼の家族に対する愛情の深さを感じることができる。

彼の家族は彼ともう話すことはできない。しかし、実際は家族のひとりひとりの記憶の中に鮮明に彼は生きているのだ。家族が思い出そうとしさえすれば、彼が、今も生きていることを感じ取ることができるだろう。

しかし、家族の誰も、しばらくは彼のことをはっきりと思い出そうとはしないだろう。思い出すのが、辛すぎる。彼は、家族の心の中にちゃんと生きているのに、家族の心は死んでいる。

彼と家族と、いったいどちらが生きているのだろう。

思い出を作らなくては。愛するものとのたわいないやり取りも心に刻むのだ。そうすれば、愛する人と永遠に生きることができる。
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# by tnomura9 | 2005-06-27 21:45 | 心の話 | Comments(0)

思い出

昨日のテレビでコンピュータのカーソルを脳波で動かす実験を放送していた。

被験者は脳波のたくさん付いた帽子を頭から被り、モニターの画面を見つめる。そうして、自転車に乗っているときの状態を思い出すことによって、モニターのカーソルをターゲットのところへ持っていくように要求される。

誰にでもできるということで、撮影スタッフの一人が被験者になった。最初は、うまくいかなかったが次第にターゲットに当てることができるようになった。ところが、そのうち、そのスタッフの表情が変わり、なにか遠くを眺めているような表情になった。そうしているうちに、突然涙を流し始めたのだ。

理由を聞いてみると、カーソルを動かそうとして自転車に乗れるようになったときのことを思い出そうとしたら、お母さんと一緒に自転車の練習をしていたときの記憶がありありと思い出されたというのだ。日ごろすっかり忘れていた記憶が、鮮明なイメージでよみがえったのだという。

過去のことは過ぎ去ったこととして脳の中からも消え去ったようにみえる。しかし、それは消え去ったのではなく、無意識の中で今も生き生きと体験されているのかもしれない。思い出そうとする努力でその生き生きとした過去の体験が意識上に蘇ったのだろう。

人間の心は複雑で自分でも思いもかけない行動をとったりすることがあるが、それはこういう過去の体験がまだ心の中では生きていることからくるのかもしれない。

そう考えるといま経験していることもおろそかにはできない。それは、消え去ってしまうのではなく生きている限り脳のなかに生き生きと残っているかもしれないからだ。
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# by tnomura9 | 2005-06-26 19:46 | 脳の話 | Comments(0)

扁桃体

校内暴力にしても、家庭内暴力にしても、それは「キレる」という言葉に特徴的に表されるように、突発的な怒りが発端となっている。そのような人の SPECT に見られる側頭葉の機能不全はエイメン博士の本に掲載されている図を見る限りは、扁桃体がその責任部位のようだ。

扁桃体は側頭葉の先端部の皮質下にあるアーモンド形の神経細胞の集まりである。そこは情動的な記憶を司る中枢神経だと考えられている。扁桃体は、臭いの中枢である嗅球や、情動や記憶の中枢である大脳辺縁系、自律神経やホルモンと関係の深い視床下部などと密接な連絡を持っている。猫のこの部分を電気刺激すると、怒りの表情をするし、両側の扁桃体を取り去った猿は恐怖心をなくして、平気で蛇を触ったりする。

また、この扁桃体とそれに隣接する海馬は側頭葉てんかんの好発部位でもある。そうすると、「キレる」という突発的な怒りは一種のてんかん発作とも考えられないことはない。したがって、テグレトール、デパケン、リボトリールなど側頭葉てんかんに有効な薬剤が突発的な怒りをコントロールできるというのはありえることである。

パキシルのようなセロトニンの再取り込みを抑制する抗不安薬は脳幹部の縫線核の末端から放出されたセロトニンの働きを強める働きがある。この薬はおおむね患者の不安感や抑うつ感を取り去り、積極性を与える働きがあるが、ときに、突発的な暴力を誘発することがある。背側縫線核からは扁桃体に軸策が連絡しているので、この経路によって扁桃体の機能異常が起こって突発的な怒りを発生させるのかもしれない。したがって、突発的な怒りと抑うつ状態を両方持っている患者の場合はパキシルと同時に抗てんかん薬の処方が必要なのではないだろうか。

また、パキシルとリボトリール、それにドーパミンの作用を増強するドグマチールの組み合わせは社会恐怖症に非常に有効らしい。怒りも恐怖も危険に対する態度という意味では共通するものがある。突発的な暴力も、引きこもりも、そのメカニズムは非常に似ているのではないだろうか。それに、近年のADHDや不登校の生徒やニートの多さは、背後に何か生物学的な原因があるのではないだろうかと思わせる。社会が小家族性になっただけでこのように情動の病気で悩む人が増えたとは思えないのだ。環境ホルモンのような薬剤が、日常的に摂取する食物に紛れ込んでいるためということは考えられないだろうか。
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# by tnomura9 | 2005-06-24 22:39 | 脳の話 | Comments(0)