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技術的特異点

人工知能の解説ビデオをみていたらシンギュラリティという言葉が頻繁に出てきたので調べてみた。技術的特異点 (Singularity) というらしい。人間が人間の知性を超える AI を生み出した時点で AI が更に優れた AI を作りはじめ、人間が到達できない超知性が生まれるというものだ。

人間が到達できない超知性というのが何なのか分からないが、たとえば、管理人には量子力学がどういうものなのか全くわからない。理解できるようになるためには専門的なトレーニングと多大な労力と時間が必要になりそうなので取り組む気も起きないが、しかし、これを理解して研究している人々は存在している。ところが、人工知能が進化したら、人工知能が言っていることを理解できる人間が一人もいなくなるのだろう。

人工知能は様々な技術革新を人間に提供してくれ、人間はそれを享受するが、その仕組を理解できる人間が誰もいないということになる。人間は技術に取り残され退化への道を歩み始めるのだろうか。

SF じみて怖い話だが、人工知能をよく知る人達の間で真面目に議論されているらしい。

人工知能で驚異的なのはその学習速度だ。Google の AlphaGo は開発が始まったのが 2014 年で、2016 年 3 月には囲碁の世界チャンピオンを破っている。人間のそれも選ばれた資質の棋士が半生をかけて集中して学習して得た知識のレベルに達するのに2年しかかかってない。

それは囲碁というゲームだからできたことだと考えるかもしれないが、チェスで人間に勝利した IBM のディープブルーは汎用人工知能のワトソンに発展し、人間の医師で解決できなかった血液疾患の診断と治療を提案し、治療を成功させるところまで行っている。2016年にして人類は自分たちより学習能力の優れた人工知能と共存することを学び始めなくてはならなくなっているのだ。

人間が学習して知識を得ることの意味に質的な変化が起きようとしている。

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by tnomura9 | 2016-11-27 23:11 | 考えるということ | Comments(0)

汎用人工知能 H

日立が汎用人工知能を開発したそうだ。次のリンクから解説ビデオを見ることができる。


特徴は既存のシステムと接続することで課題を与えると最適解を発見してくれるところだ。物流システムの倉庫管理では従来のピッキング作業効率を8%アップしたそうだ。人間の専門家が工夫して効率化されていたはずのシステムを人工知能がさらに効率化してしまったことになる。

その上、汎用型なので既存のどんなシステムにも適用できる。いろいろな分野への人工知能の導入が専門家でなくてもかんたんに出来るようになる。経済へのインパクトは相当大きなものになるだろう。

別に日立の宣伝をしているわけではなくて他社でも似たような汎用人工知能を提供してくるだろう。ディープラーニングの仕組みは意外に単純だからだ。それがすごいことをしているように見えるのは、扱える情報量と計算速度が格段に速いせいだ。

人工知能は既に実用化の段階に入っているようだ。それも、とてつもない速さで浸透していくのではないだろうか。人工知能専用のチップが出現して、人工知能が小さくなり、速度が増し、誰にでも手の届く価格になったとき人間の雇用にどのような激変が起きて来るだろうと思うと少々不安になる。

おそらく産業革命や、パソコンの発達のときのように、消える職業と現れる職業の入れ替わりが急速に起きるのだろう。人間の雇用の形態の変化に対する混乱と痛みに対して制度的に対応する研究の必要があるのではないだろうか。人工知能の生産性に対するインパクトを考えても、人工知能の発達を止めることはできないだろうと思われるからだ。

しかし、人工知能が発達すれば単純に考えても生産性の向上による雇用への需要の低下で、所得の格差は更に開いていく可能性がある。それと逆相関で治安のコストが上がっていくだろう。

ところが、アルゼンチンでは、政府の政策によって食料や医療や教育に対する国民の負担が低いため、国全体の経済が良くないにも関わらず治安がよく生活の満足度が高いそうだ。結果的に治安のコストは低いだろう。対照的なのが中国で、世界第2位のGDPを誇りながら、治安維持の費用のほうが軍隊の費用より大きいという。

人工知能の発達による生産性の向上を織り込んで、社会の安定と国民の生活の満足度を社会のインフラストラクチャーと考えた所得の再配分や雇用問題について積極的に取り組む必要があるのではないだろうか。

国民の大半が文字が読めて携帯電話を使いこなしているというのは、大変な資源が眠っているということだ。今の社会制度ではそれが十分に生かされていない気がする。

追記



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by tnomura9 | 2016-11-27 01:38 | 考えるということ | Comments(0)

決済用電子マネー

新聞などを見ていると、為替の変動で生産者の企業の収益が大赤字になったりして大変だなと思ったりする。新聞記事では円高だ、円安だと大騒ぎするが、円高のときはドル安で、円安のときはドル高になっているようだ。それならいっその事日本と米国の企業間では決済を円とドル半々で決済すればいいのにと思う。

銀行が電子マネーを発行するが、その実マネーとの交換レートを円とドルのペアに対して固定する。そうすれば円とドルの為替レートの変動を吸収できるのではないだろうか。円とドルの比率を半々にしておけば銀行は為替変動のリスクを取らないで済むし手数料を得ることができる。企業の方も売上から為替変動のリスクを取り除くことができる。

電子マネーの換金が必要なければ、それは一種の通貨として通用する。また、円とドルへの換金はいつでもできるし、円だけ、ドルだけが必要な時はそれらを交換すればいい。ある種の金本位制の通貨のような使い方ができる。

上手い仕組みだと思うのだが、現実はそう甘くないのだろう。

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by tnomura9 | 2016-11-25 08:21 | 考えるということ | Comments(0)

情報収集のあれこれ

AI を活用しようと思ったら、ネットの情報を自動で収集する方法を知らないといけないと思った。情報収集を自動でできたら、AI が勝手に情報を集めてくれて、勝手にデータベースを構築してくれる。また、情報を電子化しないと AI に活用できない。

そこで、ネット情報の自動収集を解説したリンクをこのページに集めることにする。ブックマークするよりも手前がかかるが、テーマ別にまとめたりコメントを入れたりするのにはこっちのほうが便利だ。

ネット情報の自動収集に関する記事のまとめ




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by tnomura9 | 2016-11-24 04:11 | 考えるということ | Comments(0)

オープンソースの AI ライブラリ

AI の威力を少し脅威に感じたのでオープンソースで使えるものがないかどうかを探したら、Google の TensorFloor と Preffered Networks 社の Chainer をインストールして動作チェックまでやった記事を見つけた。


どちらも、C++ か Python で動かすらしい。管理人は残念ながらどちらも使えない。Pytnon でも勉強してみようかな。

この記事を書いているときに池上彰の番組で AI の取材映像を放送していたが、学習速度が驚異的で、学習の成果を他のロボットに移植できて、さらに、24時間疲れ知らずに働き、文句も言わない。どの点をとっても人間はかなわない。

AI 時代の生き残りについて真剣に考える必要がある。

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by tnomura9 | 2016-11-23 22:23 | 考えるということ | Comments(0)

ガストリン

ガストリンは胃酸分泌の主要な生理学的調節因子だ。それはまた胃粘膜の重要な増殖因子でもある。ガストリンは胃粘膜のG細胞で作られる。G細胞は胃の幽門の胃小窩の中にある。ガストリンは胃の壁細胞とECL細胞 (enterocromaffin-like cell) の細胞膜の受容体に結合する。

ガストリンは直鎖ペプチドで、プレプロホルモンとして翻訳される。プレプロホルモンは翻訳後切断を受けてC末端の配列が同じファミリーのペプチドになる。血液中を循環しているペプチドのうち最も多いのは gastrin-34 ("big-gastrin") だが、生理活性が最も強いのは最も小さいペプチド (gastrin-17 または minigastrin) である。さらに、C末端の5つのペプチド (pentagastrin) だけでも最大の活性が保たれている。この5つのC末端のアミノ酸の配列はコレシストキニンのC末端の配列と同じである。この事はガストリンとコレシストキニンの作用がオーバーラップしていることを示している。

ガストリン受容体はコレシストキニン受容体の一つでCCK−B受容体と呼ばれているものと同じものだ。この受容体はG蛋白受容体でガストリンが結合すると、細胞内のカルシウムイオンが増加し、それがプロテインキナーゼCを活性化し、イノシトールリン酸を生成する。

Dvorak 配列で入力していて息切れがしたのでここらでやめるが、種を明かすと米国のコロラド州立大学の


Gastrin の記事を翻訳してみたのだ。ガストリンについて興味が沸いてググってみたのだが、やさしすぎたり専門的過ぎたりで、なかなかこれという記事が見つからなかったので試しに gastrin で検索したら引っかかってきた。良質のサイトのありがたみを感じる。

最近の AI の進化は凄まじいようで、何十万という文献を読みこなして目的の情報を検索してくる。個人の人間では到底太刀打ちできない。AI の力を少数の企業や政府が独占するような事態にでもなったらどうしようと考えるのは考え過ぎだろうか。

AI に人間が負けないようにするには、また、知的作業においても人間の自由を守るためには、人間に優しい情報源がたくさん必要なのではないだろうか。


追記

上の記事で翻訳していなかった残りの部分に AI を応用したとの噂の Google 翻訳をかけてみた。もちろんあれれなところもあるがかなり読みやすくなっている。英文の資料を利用するのが随分楽になりそうだ。これからいろんな所で、ますます AI との付き合い方を考えていかないといけなくなるだろう。

Control and Physiologic Effects of Gastrin

The primary stimulus for secretion of gastrin is the presence of certain foodstuffs, especially peptides, certain amino acids and calcium, in the gastric lumen. Also, as yet unidentified compounds in coffee, wine and beer are potent stimulants for gastrin secretion. Secretion of this hormone is inhibited when the lumenal pH of the stomach becomes very low (less than about 3).

Gastrin appears to have at least two major effects on gastrointestinal function:

Stimulation of gastric acid secretion: Gastrin receptors are found on parietal cells, and binding of gastrin, along with histamine and acetylcholine, leads to fully-stimulated acid secretion by those cells. Canine parietal cells have roughly 44,000 gastrin receptors each, and in that species, it has been demonstrated that immunoneutralization of gastrin blocks secretion of acid in response to intragastric administration of peptides. Enterochromaffin-like (ECL) cells also bear gastrin receptors, and recent evidence indicates that this cell may be the most important target of gastrin with regard to regulating acid secretion. Stimulation of ECL cells by gastrin leads to histamine release, and histamine binding to H2 receptors on parietal cells is necessary for full-blown acid secretion.
Promotion of gastric mucosal growth: Gastrin clearly has the ability to stimulate many aspects of mucosal development and growth in the stomach. Treatment with gastrin stimulates DNA, RNA and protein synthesis in gastric mucosa and increases the number of parietal cellsAnother observation supporting this function is that humans with hypergastrinemia (abnormally high blood levels of gastrin) consistently show gastric mucosal hypertrophy.
In addition to parietal and ECL cell targets, gastrin also stimulates pancreatic acinar cells via binding to cholecystokinin receptors, and gastrin receptors have been demonstratede on certain populations of gastric smooth muscle cells, supporting pharmacologic studies that demonstrate a role for gastrin in regulating gastric motility.

Disease States

Excessive secretion of gastrin, or hypergastrinemia, is a well-recognized cause of a severe disease known as Zollinger-Ellison syndrome, which is seen at low frequency in man and dogs. The hallmark of this disease is gastric and duodenal ulceration due to excessive and unregulated secretion of gastric acid. Most commonly, hypergastrinemia is the result of gastrin-secreting tumors (gastrinomas), which develop in the pancreas or duodenum.

ガストリンの制御と生理学的効果

ガストリンの分泌のための主な刺激は、特定の食料品、特にペプチド、特定のアミノ酸およびカルシウムが胃内腔に存在することである。また、コーヒー、ワイン、ビールの未同定化合物は、ガストリン分泌の強力な刺激薬です。このホルモンの分泌は、胃の内腔pHが非常に低く(約3未満)なったときに抑制される。

ガストリンは、胃腸機能に少なくとも2つの主要な効果を有すると思われる:

胃酸分泌の刺激:ガストリン受容体は壁細胞に存在し、ガストリンとヒスタミンおよびアセチルコリンとの結合は、それらの細胞による完全に刺激された酸分泌をもたらす。イヌ頭頂細胞は、それぞれ約44,000のガストリン受容体を有し、その種において、ガストリンの免疫中和は、ペプチドの胃内投与に応答する酸分泌をブロックすることが実証されている。 Enterochromaffin様(ECL)細胞もガストリン受容体を有しており、最近の証拠によれば、この細胞は酸分泌の調節に関してガストリンの最も重要な標的である可能性があることが示されている。ガストリンによるECL細胞の刺激は、ヒスタミン遊離をもたらし、壁細胞上のH2受容体へのヒスタミン結合は、完全な酸分泌に必要である。
胃粘膜増殖の促進:ガストリンは、粘膜の発達および胃の成長の多くの局面を刺激する能力を有することは明らかである。ガストリンによる治療は、胃粘膜におけるDNA、RNAおよびタンパク質合成を刺激し、壁細胞の数を増加させる。この機能を支持する別の観察は、高ガストリン血症(異常に高い血中ガストリンレベル)を有するヒトが一貫して胃粘膜肥大を示すことである。
さらに、ガストリンは、壁細胞およびECL細胞標的に加えて、コレシストキニン受容体への結合を介して膵臓腺房細胞を刺激し、ガストリン受容体は、胃平滑筋細胞の特定の集団において実証されている。

病状

ガストリンの過度の分泌または高ガストリン血症は、ゾリンジャーエリソン症候群として知られる重篤な疾患のよく知られた原因であり、ヒトおよびイヌにおいて低頻度で見られる。この病気の特徴は、胃酸の過剰分泌および調節されていない分泌に起因する胃および十二指腸潰瘍である。最も一般的には、高ガストリン血症は、膵臓または十二指腸に発生するガストリン分泌腫瘍(ガストリノーマ)の結果である。


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by tnomura9 | 2016-11-22 02:09 | 考えるということ | Comments(0)

極楽浄土

最近は「踊ってみた」をほとんど見なくなっていたのだけれど ....


見慣れないステップが魅力的だ。再生回数も600万回以上。


これも ....


それと、これ



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by tnomura9 | 2016-11-20 20:15 | ボーカロイド | Comments(0)

脾臓

門脈系の解剖図を見ていてふと思った。脾臓の血液は全てが脾静脈を通って肝臓に送られるのだから、脾臓は小腸などと同じような消化器官なのではないだろうか。

小腸と違って体外との接触はないから、栄養源は血液そのものだ。血液の液状の部分はそのまま体を巡ればいいから、栄養源は血球だ。古くなった血球成分から鉄分などの栄養素をリサイクルしているのではないだろうか。

脾臓は白脾髄と赤脾髄に分かれていて、役割が異なっている。白脾髄ではリンパ球が作られ、そのリンパ球がさらに抗体を産生している。赤脾髄にはたくさんの食細胞がいて、血液中のウィルスや細菌や、古くなった赤血球を処理している。

しかし、感染防御や解毒などの仕事を請け負うためには、脾臓の場所は少々不便なところにある。血液はその一部だけが脾動脈を通じて脾臓に流れ込むからだ。感染防御や解毒などの全身に影響のある問題を処理するのは、全身の血液が集まる肺や肝臓の方がふさわしいだろう。肝臓は強力な解毒作用をもっているし、肺の役目も酸素と二酸化炭素の交換だけではないだろう。

そのためか脾臓を取ってしまっても、ひとは普通に生活できる。感染防御のような大切な機能は全身で持っていてそれらが脾臓の働きを代償するらしい。ただし、脾臓のない人は感染症にかかったとき敗血症性ショックのような重篤な状態になりやすいので、異常に重篤な感染症を診たら摘脾の既往がないかどうかを頭のすみにおいておいたほうがいい。

脾臓から出る脾静脈は名前こそ脾臓の名前がついているが、その大半は膵臓のど真ん中を走っている。従って、ここはインスリンの幹線道路になっているに違いない。内分泌の教科書にはホルモンは血液中に分泌されるとあっさり書いてあるが、その血液がどこを通ってどこへ流れていくのかという情報は結構大切なのではないだろうか。

脾臓のことをあれこれ考えながらとりとめのない文章になってしまったが、知っていると思っていたことでもちょっと考えると不思議に思うことが結構あるものだ。

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by tnomura9 | 2016-11-20 08:25 | 考えるということ | Comments(0)

判断力

判断力とは物事を正しく認識し評価する能力のことだが、残念ながら、そうやって判断して決断したことに対する判断力を人間は持ち合わせていない。自分の判断が正しかったかどうかは結果を見なければ分からないからだ。しかも、判断が間違っていたときは手遅れのことが多いので恐ろしい。

しかし、毎回正しい判断ができるという確率が非常に低いということは、サイコロの目の1を10回続けて出す確率が6分の1の10乗という途方もなく小さい数字になることからもわかる。

したがって、最善の判断をしたときでも、その判断が誤っていたときへの対応策であるプランBや、C、D ... を持っていないと危なっかしい。Plan-Do-See という計画、実行、評価のサイクルが必要な所以だ。

ところが、この Plan-Do-See のサイクルを意識していたら安全かというとそうでもない。それは、このサイクルの評価も判断であるので、間違った判断が紛れ込むかもしれないのだ。

例えば、短期的には失敗に見えても、長期的には大成功する判断もあるだろう。このときには軌道修正することによって逆に大きな損失を被るかもしれない。

結局のところ、判断の連鎖はいずれ失敗するものだと考えたほうが正しいのかもしれない。

だが、経済活動全体を考えると事情が少し違ってくる。誤った判断をした会社が市場から消える一方で、正しい判断をする振興の会社が台頭するからだ。このような市場の新陳代謝が健全に行われていれば、市場全体としては安定的に発展していく可能性がある。

ただし、これは市場に多様性が存在できる場合に限る。所得格差によって市場を支配する少数の大資本家と市場に参戦できない大多数の労働者が発生するというようなバイアスがかかってくると、市場の多様性が失われて市場全体に破滅的な変化が起きるかもしれない。

こう考えると、国の経済活動を健全に保つための方策が分かる。それは、市場の多様性を涵養することだ。具体的には中小企業を育てることだ。大企業による下請け化や、資本家による過度の配当の要求から中小企業を守り、育つべき企業は育ち、退場すべき企業は退場するような新陳代謝の活発な市場を作り上げるのだ。

貧困対策は社会の安定を担保するためには喫緊の課題だが、それに加えて市場に新たに参入する意欲と能力のある人々を育てることが大切だ。起業するというとハイテクのベンチャー企業を想像しがちだが、パキスタンのマイクロファイナンスのように、貧困層と思われていた人に小額の投資という呼び水を与えることで目覚ましい企業活動を引き出す例もある。硬直化した国家の経済にほんの少しの水やりをすることで、柔軟で多様性に富んだ強靭な市場を作り出すことができるはずだ。

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by tnomura9 | 2016-11-17 05:40 | 考えるということ | Comments(0)

メキシコ移民の強制送還

トランプ次期大統領はメキシコとの国境に塀を建設し、大量の移民を送り返すと言っているが、そのことによってメキシコの政情不安定が起きて強力な反米政権が生まれたときのコストについて考慮しているのだろうか。メキシコがロシアや中国と友好関係を結び、これらの国の軍隊やミサイルが米国本土に向けて置かれるような事態になったとしたらそれらに対抗するための軍事費や社会不安に対処するための費用について考えたことがあるのだろうか。

日本から軍隊を引き上げると言っているが、日本という前線基地を失い、日本という高度な技術国家が中国に飲み込まれ西太平洋に中国が進出するような事態になったとき、米国本土の安全をどうやって担保するのだろうか。

利益至上主義のエゴイズム経済学の最大の欠点は、その視野の狭さだ。世界は貨幣経済の力だけで成り立っているのではなく宗教のような人間の信条という形のないものを含めて、複雑な力動の相互作用で成り立っている。その世界に利潤の最大化だけしか見ないで切り込んでいったら、その判断によって引き起こされる連鎖反応を予測もできないし、対処することもできないだろう。

トランプ大統領が変ることができなければ、トランプ大統領を選んだ米国国民と世界に甚大な被害を及ぼすだろう。

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by tnomura9 | 2016-11-15 08:18 | 考えるということ | Comments(0)