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歳をとると

歳をとると環境設定がどうでもよくなる現象

しみじみと同感。思わずリンクしてしまった。
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by tnomura9 | 2007-03-31 07:29 | 話のネタ | Comments(0)

書評 - 「複雑ネットワーク」とは何か

『「複雑ネットワーク」とは何か』 増田直樹、今野紀雄著 講談社ブルーバックス を読んだ。

複雑ネットワーク(complex networks) についての優れた入門書だ。ネットで書評を検索しても大体同じ意見のようだ。前半でスモールワールドやスケールフリーネットーワークの理論的な解説がされている。明快な文章で、数式がなくても複雑ネットワークの特徴を解析するときのアイディアが直感的に分かるように書いてある。後半はスモールワールドやスケールフリーを現実の伝染病や通信ネットワークやニューロンやたんぱく質のネットワークに適用した応用例が解説してある。

コンピュータネットワークや、人間関係のネットワークなどを抽象化していくと、結局は頂点と枝を結んだ網の目になってしまう。その網の目も頂点の位置や枝の長さには本質的な意味はなく、頂点と頂点が結ばれているかどうかだけが問題になる。したがって、空間的な頂点の位置は勝手に変更しても網の目であるグラフの意味は変わらない。つまり、どんなネットワークでも、グラフの性質を変えずに頂点を全てひとつの円の上に並べてしまうことができる。

このように、ネットワークの頂点をひとつの円の上に並べてしまうことによって、グラフの一般的な性質を数学的に扱うことができる。別に円に固執する必要はないのだが、円に並べることで視覚的に直感的な理解ができる。

そうすると、複雑ネットワークの性質の指標として、2頂点間の距離、頂点のクラスタ性、頂点の次数などを考えることができる。

2頂点間の距離とは、ある頂点とある頂点が最少何本の枝を介して結合しているかということだ、枝の長さにはまったく考慮が払われない。また、クラスターとは3つの頂点が枝で結ばれて三角形をなしていることを言う。これは枝で結ばれたどの二つの頂点もそれ以外の頂点と結ばれていることを示し、内輪のつながりが強いことを示している。複雑ネットワークのうちクラスターが多く存在するものをクラスター性が高いという。クラスター係数は個々のネットワークの全ての頂点で作成可能な三角形の数を分母として、実際にそのネットワークに現れた三角形の数を割ったもので1から0までの値をとる。このクラスター係数を、ネットのクラスター性の指標とすることができる。

このクラスター性が適度に高く、かつ、2頂点間の平均距離が小さいものをスモールワールドと呼ぶ。このスモールワールドが現実のネットワークの性質に当てはまることが多いので、最近マーケティングなどでよく取りざたされている。実際、俳優が映画で共演したという関係で俳優のネットワークを調べると、最大6の距離(最小の繋がり)で全ての俳優と俳優が関係付けられてしまう。これは、クラスター主体のネットワークにわずかなショートカットの枝ができるだけで2頂点間の平均距離が激減するためだ。スモールワールドの平均距離が意外に小さいという性質を考えてみると、ブログなどの口コミ情報の伝播が思ったよりも速く広いことに説明がつく。

スモールワールドの頂点から出る枝の数を次数というが、この次数の分布についてそれが、ベキ分布であると考えたものがスケールフリーネットワークだ。スケールフリーとは統計的な平均や分散などが計測できない分布のことを言う。このようなスケールフリーの複雑ネットワークは、頂点の数が増殖していく場合にみられる。その際、次数の多い頂点には新しい枝ができやすく、次数の少ない頂点には枝がつきにくいと仮定したものがスケールフリーネットワークだ。実際の例としては、ホームページへのリンクを考えるとよい、人気の高いホームページには次々にリンクが増えていくが、不人気なホームページにはいつまでもリンクがつかない。

スケールフリーネットワークの一番の特徴は非常にたくさんの枝がつながるハブという頂点が出現することだ。コンピュータネットワークもスケールフリーネットワークだ。したがって、コンピュータネットワークが、ランダムに攻撃を受けてもあまり被害はないが、ハブを集中的に攻撃されると非常な混乱が起きる。伝染病の感染が広がる場合も似た性質があり、スーパースプレッダーというとくに広い範囲に病原体を感染させる個人がいることがある。

このように、ネットワークの性質を、スモールワールドやスケールフリーネットワークと考えることでその特徴を把握し、対策をとることができるのだ。たとえば伝染病の防疫の場合、ある人をランダムに取り出して免疫し、その友人を選んで免疫するというやり方でやがてハブとなる個人を免疫することができるようになる。この方法はリング接種とよばれ、実際に行われている。

通信や人間関係や伝染病の経路などさまざまなネットワークを頂点と枝のネットワークとして抽象化して把握することによっていろいろ面白いことが分かってきているようだ。
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by tnomura9 | 2007-03-30 22:59 | 話のネタ | Comments(3)

書評 - 記憶と情動の脳科学

『記憶と情動の脳科学』 ジェームズ・L・マッガウ著 大石高生/久保田競 監訳 講談社ブルーバックス が面白かった。

これによると、短期記憶と長期記憶は独立して働いているようだ。両側の側頭葉に障害があると、短期記憶が傷害されるが、長期記憶は完全に保たれる。短期記憶は海馬と尾状核で行われ、長期記憶は大脳皮質で行われる。

短期記憶が長期記憶に変化するためには、海馬と尾状核で「固定化」という機構が働かないといけない。学習操作の「直後に」薬物を投与することによって「固定化」に影響を与えることができる。

また、記憶の種類によって記憶の固定化に関係する脳の部位が異なる。場所学習や陳述記憶は海馬で、反応学習や非陳述記憶は尾状核で行われる。

記憶を増強したり、妨害したりする薬物は、学習の前ではなく、直後に投与することによって学習の固定化に影響させることができる。これらは、短期学習で学習したものが、長期記憶に「固定化」されるメカニズムに影響していると考えられる。

これらの薬物は、脳内受容体を介して記憶に影響する。GABA受容体、オピオイド受容体を活動させると記憶は抑制され、グルタミン酸受容体、アセチルコリン受容体、カテコラミン受容体を活性化すると記憶は促進される。

扁桃体外側基底核は、短期記憶の学習には影響しないが、海馬と尾状核の短期記憶の固定化を強く促進する。扁桃核は情動の中心なので、短期記憶の学習後の強い情動体験は記憶の固定化を強固にする。

長期記憶自体も生涯残るものと、逆行性健忘に見られるように、長期間残っているが固定されていないものとがある。

最後に、強すぎる記憶は、かなりの心理的な負担になる。忘れることも大切な脳の働きなのだ。
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by tnomura9 | 2007-03-28 05:44 | 脳の話 | Comments(0)

著者の意図を探す

参考書を読むときに、段落単位で、この著者の意図は何なのだろうかと考えながら読むのはいい方法だ。

「著者は、何を伝えたいのだろうか?」、「何を重要で何を補助的なことだと考えているのだろうか?」、「問題に対して肯定的に考えているのだろうか、それとも、否定的に考えているのだろうか?」、「問題を分類しているのだろうか、それとも原因結果の連鎖を述べているのだろうか?」、「何を根拠として考えているのだろうか、あるいは、何を根拠にはならないと考えているのだろうか?」、「何を推奨しているのだろうか、あるいは、否定しているのだろうか?」などと、あらかじめいくつかの疑問を持ってから読むと、著者の意図したものに考えが届きやすい。

質問はいろいろあるだろうが、ポイントが2,3ある。つぎにあげるようなポイントを押さえた質問を考えておくと読解が楽になる。


  • テーマは何か
  • 肯定か否定か
  • 幹と枝
  • 分類か、因果関係か


著者は何について語っているのか、主題について肯定的なのか否定的なのか、何が中心的なアイディアで何が派生的なものだと考えているのだろうか、その主題について分類を主とした分析をしているのだろうか(並列的記述)、因果関係の連鎖を分析しているのだろうか(直列的記述)と、最低これくらいは最初に考えて読むと読解が楽になる。
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by tnomura9 | 2007-03-24 07:43 | 考えるということ | Comments(0)

連想は2変数関数であるということ

分厚い参考書を読みこなさなければならない事情から、すばやく理解するためのコツについて思いついたことを書いてきた。そうして、あれこれ考えているうちにそれは連想力であることに気がついた。

ノートをとるよりも、参考書のキーワードを眺めて連想を作ったほうが楽だし速い。その際、連想元のキーワードと、そのキーワードと連想先のキーワードの間の関係の組を作って、連想先のキーワードと関連付けることがコツだ。関数風に書くと、

連想先のキーワード = f(連想元のキーワード, キーワード間の関係)


となる。要するに連想を形成するときに、その連想の方向性も含めておくということだ。想起するときもキーワードと連想の方向性の組から連想先のキーワードを思い出すようにする。

以前に書いた「オプソニン」の例では、[オプソニン, 概念] の組に「細菌と白血球の間の糊」が対応し、[オプソニン, 物質] の組に「抗体、補体、コレクチン」が対応する。想起するときも[オプソニン, 概念]のような組に対応するキーワードを探すのだ。

連想元のキーワードと、関係の組をつくり、連想先のキーワードと関係付けるというちょっとした工夫で、想起が随分楽になる。
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by tnomura9 | 2007-03-19 18:35 | 考えるということ | Comments(0)

似たものの違いを探す

本を読んでも、分かったような分からないような気分で読み終わることがある。それは、似たもの同士の違いを把握できていないからだ。

例えば、C言語で見られる、近代的な流れ制御構造には次のようなものがある。

  • 連接 (sequence)
  • 判断 (if else)
  • 前判定反復 (while)
  • 後判定反復 (do while)
  • 多方向分岐 (switch case)
  • 所定回反復 (for)

『入門ソフトウェアシリーズ1 C言語』 川西朝雄著 ナツメ社 より

これらは、プログラムの流れを変える制御構造だと一括して理解して、あとは個々の使い方を覚えるというやり方もできるが、なんとなくすっきりしない感じが残る。制御構造として一括りにされる項目間にも違いがあるはずなのだ。

上の制御構造の中で、連接は実行文を上から下へただ実行するだけだから、のこりの制御構造とは明らかに違う。のこりの制御文は必ず条件の判断が必要だという点で連接とは異なるのだ。また、その中でも判断と多方向分岐はループしないが、前判定反復、後判定反復と所定回反復には、ループがある。さらに、ループを作るもののうち、前判定反復と所定回反復は条件判断がループの先頭で行われ、後判定反復はループの最後で行われる。

そういう風に見ていくと、if else 文と case 文、while 文と for 文の関連が強く、それぞれ互いに代用できそうだと気がつく。

このようにひとつのカテゴリーのメンバーの間の違いを眺めるようにすると、個々のメンバーのカラーのようなものが見えてくる。上の制御構造の場合は分類が木構造になって重複がないが、サブカテゴリー間で共通部分があったり木構造がループしていることもある。

いずれにしても、はっきりと理解したと感じるためには、似たもの同士の違いに注目する必要があるのだ。
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by tnomura9 | 2007-03-18 12:28 | 考えるということ | Comments(0)

連想の方向のコントロール

人間が記憶を辿ったり、考えたりするときのツールは連想だ。また、連想によるつながりは基本的に一対一だ。マインドマップを描いてみると分かるが、一対一の連想も連鎖させていくと複雑な構造を記述できる。

連想の項目と項目の関係は一対一だが、同じ項目から複数の項目に連想付けることができるので、連想の分岐が生じる。この分岐を発生させるものは、連想の方向性だ、同じ項目から、複数の項目が関連付けられる場合、連想の方向が異なっているのだ。

連想に分岐があるために、連想で記述できる知識の構造は自由度が飛躍的に高くなる。しかし、連想の分岐のために、分岐のある項目で連想が止まってしまい、思い出せなくなってしまうことがあるのだ。せっかくマインドマップを作っても、少したつとマップの意味が分からなくなってしまうのもそのせいだ。

「風が吹くと桶屋が儲かる」の連想では分岐がないので、「風が吹くとほこりが立つ」、「ほこりが目に入ると盲人が増える」、「盲人が増えると三味線で生活を立てるので、三味線が売れる」、「三味線が売れると、猫の皮を使うので猫が減る」、「猫が減るとねずみが増える」、「ねずみが増えると桶を齧るので、桶屋が儲かる」のように少々長い連想でも簡単に辿ることができる。

しかし、連想に分岐があると、どの連想を辿ったらよいのか分からなくなって立ち往生してしまうのだ。このようなときは、連想の方向を自在にコントロールできるようにしておくと便利だ。連想の方向性を限定することによって、関連する項目の想起が容易になる。

例えば、「オプソニン」という単語を見たときに、「オプソニンとはどんなものか」と考えると、それは、「細菌を白血球が貪食するときに、細菌を白血球の膜に接着させるための糊のようなもの」という連想がわく。また、「どのようなものでできているのか」と考えると、「免疫グロブリン(IgG)、補体のC3bフラグメント、血漿内のコレクチン」という連想がわくし、「オプソニンにくっつく細胞膜のレセプターは何か」と考えると、「IgGに対するFcレセプター、補体レセプター1,2,3(CR1,2,3)およびコレクチンに対するClq」という連想が出てくる。「これを一言で言うとどういうことか」と考えると「オプソニンとは細菌を白血球に接着させる糊で、3種類あり、それぞれに対応する白血球膜上のレセプターがある」という答えになる。

「オプソニン」のように連想に分岐のある項目は、連想が干渉しあって意味が分からなくなることがあるが、連想の方向性をコントロールすることによって、一対一の連想に限定してやると、連想の糸がほぐれて分かりやすくなる。

連想の方向性を規定するのは疑問や質問だが、どのような質問をすればよいかなどと、定型的に分類しようとすると却ってわずらわしく思考の流れを止めてしまう。自然にいろいろな方向に連想を向けることができるようにするのが大切だ。
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by tnomura9 | 2007-03-16 07:14 | 考えるということ | Comments(0)

2分岐

ITproの「フローチャートの力を思い出そう」という記事のなかに、フローチャートの分岐は、
「必ず2分岐にする」

と書いてあった。論理とは全ての可能性について考えることなので、分岐を2分岐にして、「ある条件を満たすもの」と「それ以外」に分けることは見落としを避けるうえでも重要なことだ。3分岐、4分岐が全ての場合を尽くしているかどうかは曖昧になることが多い。2分岐にすることによって、あるものとそれ以外の2つの場合に完全に分けることができる。

プログラムのバグも、プロジェクトの失敗も「思いもかけないところ」から発生する。フローチャートの分岐を意識的に2分岐にすることによって、思いもかけないバグがどこから来たのか見つけることが容易になる。

分岐を2分岐にすることの利点は、本を読むときにも活用することができる。参考書を読んでいると、「これこれのことが発生するのは次の4つの場合がある」という表現に出会うことが多い。管理人はこの分類法があまり好きではない。本当にその4つで全てが説明できるのか。4つの間にどんな違いがあるのかなどと考えているうちに頭が混乱して読み進めなくなるからだ。

そこで、この記事を読んでから、そういう分類が出てきたときは、先ず一つ目の項目について読んだときにその項目を満たす場合とそれ以外に分けてしまうようにした。そうして、次の項目について読むときは、最初の項目とどう違うのかを考えて、その項目が一つ目の項目と重複していないかを考える。確かに違うものだと確認できたら、一つ目の項目の「それ以外」を二つ目の項目を満たすものと、それ以外のものに分けてみる。この操作を繰り返していくと、四つの場合分けの場合でも、各項目の独自性とその分類法の網羅性が自然に分かってくる。

全てを2分岐で考えるというのは、結構使い勝手のいいツールなのだ。
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by tnomura9 | 2007-03-12 23:05 | 考えるということ | Comments(0)

幾何学

最近、時々、中学の数学の幾何学の問題を解いてみている。

旺文社の中学数学辞典の問題をところどころ解いてみているのだが。中学生のとき苦戦した幾何学が、思ったより簡単に解けるのに驚いた。知恵がついたからだといえばそれまでだが、幾何学の証明の本質のようなものに気づいたからだ。

幾何学の証明を発見するということは、結局は問題の図形から、様々な定理を適用できる図形を探すことなのだ。ところで、定理に使われる図形は、平行線や三角形などの要素的な図形が多い。したがって、問題の図形からいろいろな三角形を見つける操作をしているうちに、自然に解答にたどり着いてしまうことが多い。パターンを見つけるというのが幾何学の証明の発見法なのだ。

子供に幾何学を教えるときに、いきなり証明をさせるのではなく、最初はいろいろな図形に隠された三角形や平行線などの基本的なパターンを発見させる練習をしておくと、子供ももっと楽に幾何学を学ぶことができるのではないかと思う。

幾何学に限らず、発見的な思考は、できるだけ単純な基本的パターンに通暁していることと、実際の事例から、どれだけ多く基本的パターンが現れているかを発見するパターン認識能力を訓練することで磨かれるのではないだろうか。
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by tnomura9 | 2007-03-05 07:39 | 考えるということ | Comments(0)

抽象化

プログラムの作成に関わらず、物を考えるときに抽象化というのは重要な方法だが、一口に抽象化といっても、それこそ抽象的でつかみどころがない。

抽象化の効果を身にしみて感じるのは、オイラーが解いたケーニッヒスベルグの橋の一筆書きの問題だ(「実験」から見るトポロジー)。交差点を点に橋を線に変えても、またその長さをもとの道の形を残さないまでに変えても残る性質、交差点につながる道の数に注目するときに、問題はあざやかにとかれてしまう。

素材のいろいろな性質を思い切って変化させても残る性質はなんだろうかと考えることが、抽象化の方法なのだろう。
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by tnomura9 | 2007-03-03 18:48 | 考えるということ | Comments(0)