数学の証明は、公理と推論規則の組み合わせでできている。定理の証明は、これらの組み合わせをさまざまに適用することによって実行される。
このように、ルールがはっきりしているのに解答が容易には得られないという統語論的な性質は、詰将棋や、15ゲームなどのパズルの状況とよく似ている。それは、ルールの適用の選択肢が膨大で、規則がはっきりしているのに全体を見通すことが不可能であるということだ。 このため、パズルの正解に到達するためには、不可能な選択肢を切り捨てたり、有力な選択肢を選びだしたりなどの選択肢の選別を行わなければならない。この、選択肢の選別の上手下手がパズルの解答への到達を左右する。 このように、パズルや数学の一般的な性質を検討しても、それでパズルや数学が得意になるわけではない。ただ、これらに共通する思考法の特徴に気を付けていれば、例えば、不可能な選択肢を明確にすることの有効性と、その際に可能な選択肢を不可能と判断することによって迷路に陥る危険性など、実際に問題を解くときの要点が見えてくる。 パズルが上手になったから数学が解けるようになるというものでもないし、逆もまた真だ。しかし、パズルを解くときの戦略は、比喩的に数学の問題を解くときの役に立つことがある。
by tnomura9
| 2009-06-30 07:20
| 考えるということ
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