参考書を何度読んでも頭に残らないので、試しにキーワードを一語だけ紙に書いて、それを眺めながら自由連想ができるかどうかを試してみた。
『絵ときシグナル伝達入門』 服部成介著 羊土社 を読んでいたので、「Src」 と一語だけメモ帳に書き、それから何を連想するか試してみた。すると、次のような内容の連想がポツポツと浮かんできた。意味は思いついても言葉にならないときは、無理しないで本に目を通すようにした。 1) 遺伝子srcの遺伝子産物である 2) チロシンキナーゼ活性がある 3) それまで発見されていたキナーゼはすべてセリン/スレオニンキナーゼだった 4) srcはラウス肉腫ウィルスの3’端で発見された 5) 遺伝子は小文字で遺伝子産物は先頭を大文字で表記する 6) ラウスはノーベル賞を取った。87歳だった 7) src はsarcomaからとられている などと、脈絡もなく浮かび上がってくる。この操作を何回か繰り返していたら、次第に「Src」というキーワードがなじみのあるものに見えてきた。本を読むだけでなく文章に解説記事を書いたり、人前で発表したりすると記憶によく残るし理解も進むということはよく経験する。その作業の中で、こういうとりとめもない連想を繰り返すうちに自然に知識の塊(チャンク)ができあがっていくからかもしれない。 とくに連想を紙に書き留めるわけでもないので負担はすくない。自由連想を繰り返し行うというのは記憶の定着のための負担の少ない方法かもしれない。
by tnomura9
| 2009-04-01 10:51
| 考えるということ
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Comments(3)
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normal
at 2009-04-02 20:24
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お久しぶりです。
私の場合は、把握したい対象を多角的に分析して、ひっかかり(インデックス)を多くしようと健闘中です。しかし、自由連想によって、ひっかかり(インデックス)の特徴を整理する方が効率的かもしれませんね^^
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normal
at 2009-04-02 20:28
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tnomura9 at 2009-04-03 07:45
normal さん、コメントをありがとうございました。
ひっかかり(インデックス)を多くして違った角度から眺められるようにすることは大切ですね。ジョークなども微妙な視点のずれが笑えるわけですし。理解ということについては、「見える化」が話題になっているようですが、知識を外在化させることは必要なことでしょうが、理解するということの本質的は脳の中にその知識のモデル、それも、脳の中で思考実験として自在に操作できるやつを作成することなので、一旦「見える化」した知識を再び内在化する必要があるのではないでしょうか。思い出す、連想するという操作はそういう知識の内在化のテストとしては有効な気がします。
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