最近文法を意識しながら参考書を読むようになったら、以前より内容を把握する時間が短縮されるようになった。また、理解しながら読み進めることができるので集中力が続くようだ。
数学や哲学でもない限り、一般の参考書の内容はある程度の基礎知識さえあれば読みこなせるはずだ。しかし、実際はそうではないのは、参考書の文章からそこに表現されている知識の構造を頭の中に再構築するのに手間取るからだ。 ところが、文法を意識しながら文章を読んでいくと、文章の構造が分かるとともに知識の構造も自然と頭の中に入るようになってきた。統辞論的な構造がどの程度意味論的な構造を反映しているかは難しい問題かもしれない。しかし、意味論的な構造の推測が、文法的な解析をすることでかなり機械的にできるのも事実のようだ。 文法的な解析といっても、学問的に精密にやるわけではなく、文を大まかに主部と述部に分けてとらえたり、接続語や指示語による文の間の論理的関係の分析をするくらいだが、なんとなく読んで意味を推測するのに比べて、格段に脳の処理が少なくなるような気がする。 たとえば、「モノが売れると業績が上がってして給料が上がり、モノがさらに売れようになって、またまた業績が上がり給料が大幅にアップする。」というような文章は、とくに文法を気にせずになんとなく読むだろう。しかし、文法に注意してみると、この文は、「モノが売れると業績が上がる。」、「業績が上がると給料が上がる」、「給料が上がるとモノがさらに売れる」、「モノがさらに売れるとさらに業績が上がる」、「業績がさらに上がると給料が大幅にアップする。」という5つの文の複合文であることが分かる。 このような複合文からなる文をなんとなく読んでいると、漠然とした印象はのこるが、複合文に含まれる個々の単文の間の論理的関係があいまいになってしまうので、そこから先に読み進めるときに曖昧な理解が足を引っ張って、それ以上読み進めなくなってしまう。 すべての本を文法を意識して読むというのもどうかと思うが、精密に理解しないといけない文章の場合、簡単な文法を意識したアプローチは読解の労力を減らしてくれる。
by tnomura9
| 2009-02-11 11:43
| 考えるということ
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Comments(2)
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by
ゆう
at 2010-05-15 20:40
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はじめまして!
ほんとそのとおりですね。 自分と同じことを思った人がいたなんて うれしいです(笑) ある意味、論理学や文法などは本を読むときも 読み手が理解する手助けをする学問ですね で、これからも素晴らしいブログ書いてくださいね。 これからも読むようにします 応援してます^^ では、失礼します。
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tnomura9 at 2010-05-19 16:52
ゆうさん、コメントありがとうございました。
論理学や文法を活用して、本を理解するときの雛形を駆使できるようになったら、もっともっと面白いものにたくさん出会えてわくわくできるようになるのではないかという気がしますね。これからもよろしくお願いします。
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