文章の中身を取り払ってしまって枠組みで考えると、かえって内容をよく理解できることがある。
たとえば次のような文章の場合、 腎臓とならび、肝での代謝と胆汁中への排泄は抗菌薬にとって主たる薬物の排泄経路であるが、その機構について明らかにされていない点が多い。また、肝障害時における抗菌薬投与法で現在確立されたものはない。 こういう文章もいきなりよむのではなく、 「あるものが重要だが、それに関係するあるものがない。また、それに関係する別のものもない。」と内容を無視して枠組みだけを取り出してみる。文章では分かりにくいが次のように図示すると、 あるものが重要だ、しかし、 1)それに関してAがない(足りない)。 2)それに関してBもない。 というような論理構造になっていることが分かる。こうして、論理の枠組みを先に調べた後、内容をその枠の中に収めていく。つまり、 肝臓は薬物を体外に出す重要な経路だ、しかし、 1)そのメカニズムはよく分かっていない。 2)肝臓に障害がある時の投薬のやり方で確立したものはない。 ということが書いてあったのだとわかる。 込み入った文章の時は、先に論理の枠組みを調べて、そのあとで内容をその枠組みの中に埋めていくというやり方をとるとよく分かることがある。
by tnomura9
| 2009-01-22 17:54
| 考えるということ
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Comments(2)
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by
normal
at 2009-01-22 22:27
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tnomura9 さんは地に足がついてますね。
自分なんか構造の為の構造の理解という感じになっていて、万能の誘惑と不全感に憑依されてますね^^ 見習いたいです^^
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tnomura9 at 2009-01-23 07:00
normalさん、コメントありがとうございました。
私は子供のころヴォークトの『宇宙船ビーグル号』に登場する「総合科学者」にあこがれていました。彼は、いろいろな分野の知識を、特殊な方法で速習し、専門分野の壁を越えた広い視野で難題を解決していきます。この年になっても学習法などに興味を持ち続けているのは、その夢が忘れられないからではないかと思うのですが、実際の自分の脳の性能がそれを許してくれません。現実は厳しいですね。
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