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雇用と自己雇用

雇用と自己雇用の違いはなんだろうか。

雇用も自己雇用も自分の労働力を商品として販売していることには変わりがない。しかし、雇用と自己雇用の根本的な違いは、需要の選択権がないのが雇用で、選択権があるのが自己雇用だ。

雇用の場合は自分がどういう労働を提供するかは雇用主が決定する。したがって、景気が好調な時は被雇用者は需要を開拓する手間もなしに給与というかたちで労働の対価を得ることができる。しかし、この労働に対する需要は一方的に雇用主の手にあるので、不況になって雇用主の需要がなくなると最悪解雇というリスクが付きまとう。

自己雇用の場合は、商品の需要は自分で開拓する必要がある。したがって、判断を誤ると商品やサービスが売れずに倒産という憂き目にあう。しかし、需要は自己雇用者の判断と努力で新しく作ることもできるので、一方的な解雇のリスクは少なくなる。

こう考えてくると、一社にのみ商品を納入する下請け企業や公共事業に依存する建設業は、自己雇用というより雇用の形態に近いことが分かる。商品の需要が親会社の意向に握られているからだ。また、特殊技能があり転職可能な社員の場合は、雇用の形態をとっていても潜在的な自己雇用者であるといえる。

景気が好況の時は雇用のほうが自己雇用より圧倒的に有利だ。解雇や減給の危険より、需要を誤って失敗する危険のほうが高いからだ。不況の時は両方危険だが、自己雇用の場合のほうがまだ何とか需要を開拓する余地がある。

景気循環の視点からは、今の不況が永遠に続くということはないだろうが、昨今の産業の生産性の高さから考えると、好況と不況の波の周期が短く、振幅が大きくなる可能性がある。新しい商品が出現してもあっという間に需要が飽和する可能性が高くなっているからだ。需要の変動が大きければリスクの可能性は増大する。

雇用の形態であれ、自己雇用の形態であれ、リスク管理をするためには、自分の提供できる商品と需要の動向を見据えることが大切だ。また、どちらの場合も、常に不測の事態に備えて別の商品や労働を提供できるように準備しておく必要がある。

ただし、別の商品といっても高度な技術を要求されるものばかりではないということだ。ICの設計をしていてリストラにあったひとが、たこ焼き屋で成功している例もあるという。ローテクであってもお金を稼ぐことのできる方法を研究しておくほうが大切かもしれない。

また、需要を開拓する上で重要なのは論理より皮膚感覚だ。日常生活の上での小さな不便や欲求が新しい需要につながる場合が多い。将来自己雇用を考えるのなら、何々勉強法や情報整理法などを勉強するより、ぶらぶらと散歩や買い物に行って生活感覚から気づくものを探したほうがいいかもしれない。
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by tnomura9 | 2009-01-02 10:13 | 話のネタ | Comments(0)
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