「ほっ」と。キャンペーン

自己雇用

不況の本質は、物やサービスが売れないということだ。

しかし、人間が生きていくためには、衣食住やその他のサービスを本質的に必要としている。したがって、人間が絶滅しない限りは、物やサービスの需要がなくなってしまうことはない。恐慌に近い不況のさなかでも需要を発見できれば収入を得ることができるはずだ。要は、どうやって自分がサービスを提供できる需要を発見するかということだ。

不況の中では、企業の売り上げは減少するので雇用は少ない。失業しても再雇用される可能性は非常に少ない。さらに、昨今のリストラを当然と考える時世ではいつ自分の身に失業という事態が襲ってくるかもしれない。日頃から、自己雇用の準備をしておくことは大切なことだ。

しかしながら、フランチャイズ傘下で店を始めるにも、一般的に2000万円近い初期投資がいる。そうして、フランチャイズ下での利益は本部にかなりの部分を持っていかれるので、意外に手元に残る利益は少ない。また、店の運営についても本部の意向に縛られる。フランチャイズの支店のオーナーになるということは雇用ではないが、完全に独立した自己雇用ではない。それでも、オーナーであればいきなり解雇を言い渡される危険は少ない。

起業というとまとまった初期資金や、高度な技術などが必要だと考えられやすいが、グラミン銀行の例をみるとわずかな資本で起業し、それをきっかけに拡大再生産を行っていくことがそう難しくないことが分かる。

最貧困層の起業がどうしてあのように効率の成功を収めているのだろうか。グラミン銀行の返済率が高率であるということは、債務者の事業がうまくいっていることを示している。そこで、これらの人たちの起業の成功率の高さの要件を考えてみた。

ひとつは、最貧困層の生活費が非常に少額だということだ。したがって、わずかな収入の向上で余剰利益を投資に回していくことができる。実際、貧困層から脱出した人々は生活費も増えるため初期のころのような劇的な生活環境の向上は見られなくなる。

貧困層を脱出した人たちの危険要因は病気だ、自分の田畑を持つことができるようになり、主人にも三輪自動車を買うことができるようになった家族が、主人の胃がんのため、すべてを売り払ってしまわなくてはならなかった。

ここから分かるのは、自己雇用を考える場合は、生活費を極力簡素化する必要があるということだ。出費が少なければ、起業したときの固定費が少ないので、業績をあげるために無理をする必要がなくなる。

また、自分の健康管理が重要な要件となる。健康であれば、手元に資本がなくても働くことで収入を得ることができる。病気になってしまうと働けない上に医療費は必ず払わなくてはならない。生活習慣病や喫煙のような自分で自分の首を絞めるようなことは極力避けなければならない。

二つ目の要因は、できるだけ少額の資本で起業することだ。たとえ誰かが成功した方法で起業したとしても、収益が必ず上がるとは限らない。また、起業が安定して回転していくまではどうしても初期の赤字状況を経なければならない。大きな投資をしてしまうと、回転資金も大きくなるため息切れをしてしまう。失敗しても立ち直れるくらいの小さい規模で始めることが必要だ。

三つ目の要因は、常にニーズを探すこと。貧困者の起業が成功しているのは、彼らに商品やサービスを創造する技術と勤勉さが備わっていたからだ。貧しかったのは、働いても働いても利益を拡大再生産に使えないという経済的なシステムのせいだったのだ。稼いだ資金をすべて生活費にまわしていたのを、少額の融資をうけることで内部保留できるようになったのだ。

今は雇用で生活が安定していても、消費の需要にどのような流れがあるかということに常にアンテナを張っていなければならない。スーパーに出かけたらどういう商品が売れているか、逆にどういう商品は売れていないか。また、日常生活でも、不便だと感じたこと、こういうものがあればいいのにと感じたことなどはメモする週間くらいは身につけておいたほうが良い。

自己雇用の準備をするのなら、常日頃から準備をしておかなくてはならないのだ。失業したときにあわてて手持ちの資金で起業してもニーズをつかんでいないので机上の空論となり失敗してしまう。日頃から、自己雇用するためにはどういうことをすればよいか考えておく必要があるのだ。

自分が派遣社員の場合、失業のリスクはすでに織り込んでいないといけない。可能なら、貯蓄という形での内部保留をしておいたほうがいい。それがかなわない場合でも、万一失業した場合の自己雇用の形態についてのイメージを持っておく必要がある。自分には起業するためのものが何もないという言い訳は許されない。規模にかかわらず需要を探す訓練をしておく必要がある。

これからの産業の形態の流れから考えても、ロボットの進出は避けられない。しかし、いくらロボットが製品を作っても、それを消費するのは人間しかいない。そうであれば、ロボットが作った製品と人間の間をとりもつサービス業がなくなる心配はない。また、介護など、ロボットではできないサービスもなくならない。つねに備える気持ちがあれば、需要を発見するのはそう難しいことではない。

生活費を簡素にすること、少額の資金でできる起業について日頃から考えておくこと、需要を発見すること、貯蓄という形での内部保留を作っておくこと、最終的には自己雇用という選択を考えておくこと。不況を乗り切るためにこれらは必須の条件のように思える。
[PR]
by tnomura9 | 2008-12-31 06:55 | 話のネタ | Comments(0)
<< デスクトップ工場 昭和恐慌 >>