参考書を読んで、小説を読むようにすぐに理解できることは稀だ。たいていは、一読して頭の中が?????になってしまう。『るびま』の ActiveRecord の解説の記事の冒頭の部分を次に引用するが、最初はこれを読んだだけで残りをスキップしてしまった。
今回は Ruby on Rails (以下 RoR) を構成するライブラリ群のうち ActiveRecord について掘り下げていきます。 これは、著者の文章が悪いのではなくて、読み手の基礎知識が圧倒的に不足していたからだ。こういうときは、キーワードに注目してそのキーワードにどういう事項が関連しているかを書き出してみると、何が分からないのが見えてくる。 この文章の場合最重要なキーワードは ActiveRecord (AR) だ。上の文章からこのキーワードに関連するものを思いつくままに取り出してみると次のようになる。 1.ActiveRecord は Ruby の O/R マッピングのライブラリのひとつだ。 2.AcitiveRecord の理論的な解説は、P of EAA: Active Record にある。 3.RoRの急速な進化にも関わらず、コアの ActiveRecord の使い方は変わっていない。 4.この記事は ActiveRecord の日本語のリファレンスマニュアル的なものだ。 5.ActiveRcord を RoR と切り離して使える。(そのサンプルも提示する) 6.ActiveRcord のソース構造を概観する。 7.AcitiveRecord の test を読んでいく。 8.後半は ActiveRecord のマニュアルの日本語訳を試みる。 9.ActiveRecord の関連のうち、has_many と belongs_to について解説する。 10.ActiveRecord の callback, validation の機能を解説する。 11.最後に ActiveRecord のクラス・オブジェクトのリファレンスを掲載する。 管理人が一読して気力を無くしたのも当然で、ActiveRecord というキーワードに11項目もの内容がぶら下がっている。さらに、その内容についても、O/R マッピング、P of EAA、コア、RoRと切り離す(どう切り離すのか)、ソース構造、test、has_many、belogns_to、callback、validation などの???な用語が氾濫している。 本を読んで理解するとは、このようにたった一個のキーワードにぶら下がっているたくさんの用語や概念を自分の頭のなかの知識ネットワークに取り込む作業なのだということは、ここで取り立てて言うまでもないことだ。 そうして、それらを「使える知識」にするためには、キーワードにぶら下がっているキーワードにさらにぶら下がっている知識も訪ねなければならない。木構造の階層が一つ深くなるたび指数関数的に調査しなければならない枝は増えるので、並大抵な知識量ではないことが分かる。 しかし、このエントリーで学習するのは大変なのだということを言いたかったのではない。言いたかったのは、本を読んで混乱したときは、最重要キーワードについてあれこれ調べたり、考えたりすることで自然に学習の方向性が見えてくるということだ。
by tnomura9
| 2008-11-08 22:21
| 考えるということ
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