本を読むときに、段落の論理構造によって下線の引き方を考えたほうが良いと以前に書いた。論理構造は大まかに、推論を直列につなげていくものと、一つの概念をその下位概念に分割して述べる並列型の記述がある。以前のエントリーでは、キーワードがそのどれに相当しているかで、下線の種類を変えてみた。
しかし、実際にやってみると、論理構造を考えながら、下線を引くのは煩わしかった。それよりも、読み進めるときは、単に一本線の下線をひき、あとで、その種類によって、下線の始点や終点のそばに記号を書くというやり方のほうが、自然に実行できる。 たとえば、次のような文章の構成はよく見かける。 この主題については、A と B と C が関係している。 A というのは、.... 。Bは、...。そして、Cは、.... 。 こういう構成では最初に概要を述べて、次の部分で詳しく説明するという構成をとっている。このような場合に、最初のA, B, C にも後の A, B, C にも同じ下線を引いておくと、同じキーワードに2回も下線を引くことになり紛らわしい。 このような場合には、最初のキーワードには下線の頭に i (index) をつけておくと、それが後の内容の目次のようになっていることが分かる。イメージとしては、 キーワードA i ---------- というような感じだ、後半のキーワードはそれぞれのキーワードの定義が述べてあることが多い。そこでキーワードの下線の頭に D (definition) を書いておくと、そのキーワードの定義はそのあたりを読めばよいことが分かる。 キーワードA D --------- のようにする。 そのほか、論理的な推論が次々に行われているときは > -------- 、並列の項目が並んでいるときは o --------- 、問題提起の形で説明を始めてある時は -------- ? など、そのときの思いつきでいろいろと書き加えていけばいい。 キーワードに下線を引く目的は、そのキーワードをきっかけにして意味のネットワークを連想することだ。下線に特徴を持たせるようにして読み返した時にその文章の構造が分かるようにしておくことが大切だ。
by tnomura9
| 2008-09-30 12:51
| 考えるということ
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