いま、ブールかバスタブに入っているところを想像してみよう。水の感覚や体への浮力を感じられるだろう。イメージの中で手のひらに水をすくってみると水の透明感も分かるだろう。水の表面の波立ちや、水が手のひらからこぼれるときの感覚や水音も思い浮かべることができるかもしれない。
これらのイメージは単なる記憶の呼び起こしではない。記憶を素材に脳がシミュレーションを作り上げているのだ。このシミュレーションが単なる映像イメージの作成だけではないことは、野球のフライをキャッチする時のことを考えればわかる。慣れてくると飛んでくるボールの映像からボールの落下点の予想をかなり正確に行うことができる。スポーツのイメージトレーニングが効果を上げているのも、脳のこのシュミレーション能力のおかげだ。 脳は仕組みは分からないが、そうとう優秀なシミュレーション機械なのだ。 脳のシミュレーション能力を開発するという観点で考えると、紙と鉛筆だけの学習環境がいかに貧困なものであるかが分かる。数学などももっと模型などを利用して、マルチモーダルに概念を理解できるようにすべきなのだ。コンピュータのプログラミングで現実世界をシミュレーションをするために必要とされる数学や、プログラムや、マシンの能力とコストのことを考えると脳のこのような能力を開発することの重要性が分かるだろう。 何億円もするコンピュータに匹敵する能力を持つシミュレーション機械を持っているのだから、これを使わないという手はない。
by tnomura9
| 2008-07-21 09:48
| 考えるということ
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