『情報は一冊のノートにまとめなさい』 奥野宣之著を書店の平積みでみつけて衝動買いした。
一口に言うと100円のA6ノートをポケットに入れてノートや切り抜きの情報は皆そのノートに記録してしまいましょうということだ。ノートが1冊なのでメモを失してしまうこともないし。時系列の見出しをつけて、それをパソコンのテキストファイルにしておけば検索性もOKだ。 で、A6のノートを買って実行している。とても便利だ。思いついたことを全て一冊のノートに書き込んでいくので、見返したいと思ったときはすぐにできる。ノートをとっても、昔の記事を見返すことはあまりない。最近メモしたことを確かめたいということのほうが圧倒的に多いからだ。 知識の習得は食物の消化に似ている。組織立って順番に消化していくことはない。最初は上面を消化し、理解が進むと数個の塊になり、塊が小さくなるとさらに消化が進んで栄養素となり吸収されていく。 手元のメモ帳に要点をメモし、それを何回も眺めて考えたりしているうちに、だんだんに、知識の本質のようなものが会得できるようになる。また、一日中同じ参考書を読むことはあまりない。集中力も長時間は続かないので、一日に集める情報は、必然的に雑多な情報の集まりになってくる。 したがって、これらのバラバラな情報を選別して別々のノートに記録していくのは面倒だし、実用的でもない。一冊のノートにまとめるのが一番だ。 この本はHow to本には珍しく、即実践可能な本だ。 最近思うようになったのだが、学習とは忘却との戦いだ。当たり前の事のようだが、知識は写真ではない。つねに風化していくものだ。したがって、知識の習得は風化していく記憶を維持し修復し改良していく過程だ。 学習とは農業や文化財の保存や手工業のように、日常的な営みの積み重ねなのだ。
by tnomura9
| 2008-07-08 06:54
| 考えるということ
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