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構造図

考えるということは思考の対象のモデルを脳の中に形作ることだ。

思考の対象はシステムなので、要素と要素間の相互作用という構造を持っている。したがって、脳の中に形成されるモデルも、その構造図を作ることができれば便利だ。そうして、思考の対象の脳内モデルを表す構造図は非常に単純だ。二種類の図をかくことができれば十分なのだ。それは、下の図に示すように概念図とネットワーク図のふたつだ。

構造図_d0038298_11393635.jpg


概念図は下位概念を丸で囲んで上位概念の名前でひとまとめにしたものだ。ネットワーク図は要素と要素を線で結んだものだけのものだ。本などで紹介されているいろいろな図解の方法は記号や図形をいろいろと工夫してあるが、特定の目的に使うときはそういう工夫が有効だ。しかし、さしあたって勉強している思考の対象の脳内モデルを図解するにはこの単純な図形で十分なのだ。例として、前回の記事で引用した文章の構造図を右に示してある。

概念図は、単に下位概念が上位概念でまとめることができるという構造を示しているだけだ。しかし、参考書を読むときに文章だけで図示してないときは、上位概念と下位概念がごちゃごちゃになって混乱するときがある。このようなときに簡単な概念図を書くだけで頭の中を整理することができる。

ネットワーク図も関連のある要素と要素を結んだだけだ、この図だけからはダイナミックな思考対象のシステムの構造を見て取ることはできない。しかし、頭の中で要素と要素を連想で結びつけると、この単純な図形からさまざまなシステムの動作をシミュレーションできることが分かる。

コンピュータはアルゴリズムを実行する機械だが、脳の場合は外界のシステムの汎用のシミュレーション機械なのだ。コンピュータの機械語が基本的にはメモリー操作であるように。人間の脳は連想を利用したモデル作成がその動作の本質のようだ。脳は概念図とネットワーク図という単純な基本操作だけで、あらゆる現象のモデルを作ることができるように思われる。
by tnomura9 | 2007-10-14 11:41 | 考えるということ | Comments(0)
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