受験勉強で難問にぶち当たったときどう考えるだろうか。
「こんな難しい問題を解かないと合格できないのか、また、解き方を憶えないといけない。」と胃が痛くなる思いで考えるだろうか。 それとも、「こんな取り付く島もないような難問が解けるのだ、どこからアプローチしてみようか。」とわくわくするだろうか。 義務感から勉強しても喜びをあまり感じられないし、消耗が激しい。問題解決のために思考することそのものが楽しいと感じることができれば、勉強そのものが目的となる。勉強法で最も効率に影響するのは、ノートのとりかたや、記憶法ではなく、実は、モチベーションをいかに維持できるかということなのだ。 自分にモチベーションを高めさせるにはどうすればよいのだろうか。それは、徹底して考える習慣を作ることだ。極力記憶に頼らず、納得するまで考えることだ。人間の探索行動は本能的なものなので、記憶を強要されるのと違って、それ自身が目的になる。自分の探究心を喚起してやるとあとは放っておいても学習は進行する。 受験数学では、短期間に問題が解けるようにするために、解き方を暗記することを奨励しているが、これが、受験生の考える力を奪い、現在の教育荒廃の原因のひとつになっているような気がする。効率化は産業としては正論だが、リストラと同じで成長力を著しく損なう危険性があるのだ。短期的な利益は得られるが、長期的には衰退の原因となる。 このように、個人の勉強については問題を解くことそのものに対するモチベーションを高めるのが大切だが、企業の場合も同じことが言える。企業再建の記事を読むと、要となっているのは従業員のモチベーションの向上だ。モチベーションが高まった企業は、企業全体が考え始める。モチベーションは形には表れにくいが、奇跡の回復の原動力だ。間違えやすいが、報酬だけではモチベーションは高まらない。自分が発案したことが企業に採用され、効果を挙げるという参画感がモチベーションを高めるのだ。
by tnomura9
| 2007-05-17 06:05
| 考えるということ
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