管理人が長年悩んでいたことがある。それは、参考書のノートのとり方だ。
参考書そのままではどれだけ理解したか不安だし、かといって、階層性のノートやマインドマップにするのも手間がかかりすぎる上に二度手間になる。二度手間にならない程度に手抜きで、かつ、効果的なノート法はないかと思っていたが面白い方法を思いついたので紹介してみる。 下の図がそのノート法だ。路線図に似ているので「路線図ノート法」と呼ぶことにした。図の1がノートの書きはじめで図の4が完成図だ。題材にしたのは次の文章だ。 複雑ネットワーク(complex networks) についての優れた入門書だ。ネットで書評を検索しても大体同じ意見のようだ。前半でスモールワールドやスケールフリーネットーワークの理論的な解説がされている。明快な文章で、数式がなくても複雑ネットワークの特徴を解析するときのアイディアが直感的に分かるように書いてある。後半はスモールワールドやスケールフリーを現実の伝染病や通信ネットワークやニューロンやたんぱく質のネットワークに適用した応用例が解説してある。 段落の文を読んだら図の1のように横棒を一本ひき、簡単なキーワードをその上に書く。次の文を読んだら、図の2のように別の横棒とキーワードを書く。段落の文の内容が順序良く続くときはまれで、たいていは、並列した内容の記述が来る。そのときは並列した内容の数に応じて図の3のように円弧を描き、キーワードを書いておく。これを繰り返して完成させたものが図の4だ。段落が2つの部分に別れ、前後の部分にそれぞれ並列関係にある項目が現れているのが分かる。 参考書の記事の段落の構造だけをあらわすことで、二度手間を避け、かつ、参考書の内容が格段に分かりやすくなるノートをとることができる。また、参考書に下線を引くときも、路線図ノートを作った後で引くようにすると、構造を把握した下線になる。 マインドマップと同じようなものだが、項目の関連が上流から下流へとシークエンシャルに流れていくので、連想が中断されない。 上の例では横書きだが、縦書きにしてもよい。また、慣れてくると、図を実際に描かなくても、頭の中で図を描くイメージを作るだけで済む。記録としては残せないが、段落の構造を理解するための使い捨てのメモになる。段落の内容が込み入っていて混乱しそうなときに使うとよい。
by tnomura9
| 2007-04-01 11:30
| 考えるということ
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