知識の習得をするときに、汎用的な道具を持っていると便利だ。
汎用的な道具とは、プログラムの場合で言えば、構造化プログラミングとかオブジェクト指向とか言うものだし、生物学では、シグナル伝達とかレセプターというものがある。 生物の体の中では様々な化学反応が起きているが、レセプターという観点から眺めると、ホルモンもそうだし、発がん物質も、神経活動や、免疫、炎症、はては、インフルエンザの感染のメカニズムもレセプターという観点で統一的に眺めることができるので、次になにが起こるのかという予測が立ちやすい。 知識の習得の際に予測をたてて、その予測が実際と一致したのか、外れていたのか、そうであれば、なぜそうなったのかについて考えるということは効果がある。そのときに頼りになるのが、このような汎用的な道具なのだ。 汎用的な道具は、概念だけではない。起承転結などの文章を組み立てるときの型も、汎用的な道具として活用することができる。 また、フィンランドメソッドの宣伝になってしまうが、この文章を組み立てるときの型の重要性に気がついて意識して訓練しているところが面白い。 話は変わるが、フィンランドの小学生の国語教科書を翻訳したものを読みながら、どうしても違和感がとれなかった。そうして、それは、答えを出すという形式になっていないからだということに気がついた。あれはこれという書き方ではなく、これについてどう思うのかみんなで考えるにはどうしたらよいだろうというような書き方で、なんとなく居心地が悪い。いかに自分がプロセスではなく結果を求めるという考え方に染まっているのかが分かった。 こういうところから、他の人の話を聞かない、自分の結論が絶対だと信じてしまうというような、考えの癖が起こっているとしたら、ちょっと考え直さなくてはならない気がした。
by tnomura9
| 2006-11-18 07:36
| 考えるということ
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