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疑問を持ち続けること

速読法や、記憶法の本を読み漁ってもあまり習得できなかったが、読まないといけない本は山のように溜まっている。そこで、要点だけを拾い読みしようと思ってページを眺めると、心理的に入ってくる情報を抑制しようとするためか、却って、何も意識の中に入ってこない。

これは、何を探してよいのか分からない状態になっているためで、読むという作業は、本に書いてある情報を写真のように頭の中にコピーするのではなく、情報の海の中から、自分に必要なものを拾い上げてこなければならないからだ。自分の中に情報収集のための枠組みがなければならないのだ。

全ての情報や、それから派生する論理的な可能性をくまなく頭の中に入れるのは、所詮無理なのだ。ロボット工学でいう「フレーム問題」というやつだ。情報は、どのような場合も取捨選択されるべきで、その取捨選択のための枠組みがまず頭の中にできあがっていなければならないのだ。科学的な実験で言えば、仮説と検証の仮説にあたるものが必要なのだ。

それでは、情報を取捨選択するための頭のなかの枠組みをどう意識的に作れば良いのだろうか。実験のときのようにはっきりした仮説があればよいだろうが、普通、新しいことを学ぶときにそうはっきりした予想をたてることはできない。

そんなに、かっちりした枠組みを作らなくても、本を読む前に疑問や質問を持ってから読めばよいのだ。逆に言うと、疑問もなしに本を読んでも時間の無駄になると思ったほうが良い。

慣れないうちは、いちいち疑問を思い浮かべながら読むのをわずらわしく感じるものだが、結局は理解が早くなるのである。
by tnomura9 | 2006-08-17 03:14 | 考えるということ | Comments(0)
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