YAML や JSON で遊んでいるうちに、これらの構造の記述を簡潔に行えるという特徴を利用したら、考えを整理するときのツールとしても使えるかもしれないことに気がついた。括弧を使うので、『括弧思考法』と命名しよう。
たとえば年齢の計算をする場合を考えよう。これを言葉で表すと、次のようになる。 年齢を取得するためには、現在の日付と誕生日の年の部分の差を求め、現在の日付の月日の部分が誕生日の月日の部分よりも暦年で早い場合は、さらにそこから1を引くという計算をする。 これを、括弧思考法で表すと次のようになる。 { 年齢計算:{ これを作るのには次のようにする。まず、最初の括弧を書くことによって、いまから何かの概念について整理するぞという心構えをする。 次にその概念の中心が年齢計算であることを示すために 年齢計算とコロンで概念のラベルを作る。 ラベルの後ろにはそれに対応する事項を書くのだが、年齢計算が単純な構造であればそのままコロンの後ろに書けばいいのだが、ちょっと複雑そうなのでとりあえず、内容が複数の要素でできていることを表すためにコロンの後ろに括弧を書いておく。 括弧の中身はおそらく複数行にわたりそうなので、そこで改行して、次の行は数個の空白でインデントする。 年齢計算は二つの部分に分かれるようだ。最初は年に注目した計算でそれを一行で書く。二番目は月日に注目した計算で、その場合にはさらに1を引くという操作が発生するのでコロンで区切られたペアで表現する。 YAML や JSON では配列要素と、連想配列のペアが同列に並ぶことはないのだが、機械ではないので硬いことは言わないようにしよう。大切なのは{}と : だけの最小限の記号の利用で複雑な概念をこれだけわかりやすく整理することができるということなのだ。 年齢計算の手続きはこの2行で終了するようなので、2行目の行末の閉じ括弧で終わりを表す。 さらに、ここで年齢計算の概念が終わったことを示すために概念の範囲の終了を示すおしまいの閉じ括弧をつける。 括弧と閉じ括弧の対応は厳密にする必要がある。括弧の対応を検討することで概念の構造も厳密に見ることができるからだ。 この方法の利点はパソコンのエディターとの相性が良いという事だ。図形的なダイアグラムは電子化が大変だが、この括弧思考法なら、ちょっとエディタを開いて書き込むことができる。電子化できるということは、再利用が簡単になるということだ。 実際、この記事も、Windows のメモ帳にちょっと書き込んだものをコピーしている。
by tnomura9
| 2006-05-14 08:59
| 考えるということ
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