どうして太陽は東から昇るのだろうか。「地球が西から東へ自転しているからだ」という返事が返ってきそうだが、それで理解したといえるのだろうか。
太陽の軌道がどうしてあのようになるかを理解するためには、太陽と地球と地上の観察者の関係を頭の中でシミュレーションしてその動きを確認する必要がある。アインシュタインがよく利用した思考実験である。こういうシミュレーションでは、言語処理の方法とは異なる空間情報処理の方法が必要になってくる。この二者は脳でも異なる領域で実行されるのが分かっている。 最近の数学教育では数式処理の問題が中心で、幾何学にはあまり重点が置かれていないが、数式処理と幾何学では、情報処理の性質が全く違うのである。脳にはさまざまなモダリティの情報処理が行われており、実際に処理が行われる脳の部位も違っている。したがって、トレーニングの方法も違うはずなのだ。どんなに英語の文章を読むことができても、話される英語が全く理解できないというのは、別におかしいことでもなんでもない。 脳の鍛え方は、そのモダリティに合わせて様々な方法があるはずで、それを意識して、意図的に訓練方法を変える必要がある。その意味で視覚それも言語処理というひとつのモダリティだけを偏重している受験勉強は学習の方法としては異常なのである。
by tnomura9
| 2006-01-23 01:13
| 考えるということ
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