管理人も寄る年波のせいか、最近、記銘力や短期記憶にだんだん自信がなくなってきた。
そこで、一念発起して巷で騒がしい「音読」なるものを試みることにした。音読は黙読などと違って前頭葉の血流の増大効果が著しいそうだ。認知症にも目覚しい効果があるそうなのだ。 音読のために管理人が選んだ本は『さおだけ屋は、なぜ潰れないのか?』、山田真哉著、光文社文庫というベストセラーだ。そのなかのエピソード1だけを試しに音読したが、音読に対する偏見を一掃してくれた。 まず、驚いたのは、思いのほか速く読めてしまうということだ。一章を読み終わるのに20分程しかかからなかった。 以前から管理人は速読に興味があったので、速読の最大の障害が「内語」、つまり、声に出さない音読であることくらいは知っていた。したがって、本を読むときは極力視覚のみで理解するように勤めていたのだが、期待したほど読書速度は上がらなかった。したがって、音読したときの意外な速さには少々驚いた。 第2に気がついたのは、音読した文章は頭に残るということだ。黙読をしているとどうかすると丸々一ページ分も何が書いてあったか思い出せないことがある。音読をしたときの記憶の定着を考えたら、少々の時間がかかる難点は問題にならないかもしれない。 第3には音読することで、著者の語り口がよりよく伝わってくるということだ。著者の仕掛けたユーモアに思わず吹き出してしまった箇所があった。テレビのお笑いが活字にするとちっとも面白くないのと同じだ。音読して初めて、書かれていることのおかしさがよく伝わってくる。 音読の利点ばかりを書いてきたが、もちろん欠点もある。第1に速度だ。思っていたほど遅くないと言ってもやはり音読は遅い。第2に長時間音読すると声帯を痛めてしまう。せいぜい30分が限度だろう。したがって、あまり大量の文書は読めない。 実はそれでもかまわないのだ。なぜなら、音読の第1の目的は、「ボケ防止」だからだ。読んだ本の内容が頭に入るのは、副次的な利益なのだ。こういうのを『さおだけ屋は、なぜ潰れないのか』によると、「連結経営」というのだそうだ。ひとつの事業では立ち行かなくても、それに関連した副業と合わせて利益が上がっていればそれでオーケーということだ。 そういう訳で、音読はしばらく管理人のマイ・ブームとして、「ゴーイング・コンサーン」を続けていけそうな気配だ。
by tnomura9
| 2006-01-12 00:48
| 考えるということ
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