地下式横穴墓

宮崎の西都原古墳群には前方後円墳の他に、地下式横穴墓が発掘されている。地下式横穴墓は竪穴を掘り、そこから更に横穴を掘ってその先に玄室を作り被葬者を葬る形式の墓である。この形式の墓は宮崎や鹿児島だけにしか分布しておらず、特に宮崎の西端のえびの市に集中して見られる。

この墓には鉄の大刀や鎧兜など鉄器を主とした副葬品が多量に発見される事が多い。その数と質は前方後円墳のそれを凌駕している。複雑な構造の墳墓と高度な副葬品から日本発祥のものではないのではないかと思っていたら、中国の山東省の春秋戦国時代の盧の国の墓と酷似しているらしい。盧の国は孔子が宰相を務めていた国である。


驚いたことに江戸時代に宮崎県串間市の王の墓古墳から完全な形の玉璧が出土していた。壁は古代中国で祭祀用あるいは威信財としてつかわれたものなので誰でもが所持できるものではない。この串間市出土の玉璧の由来も中国の山東省らしいのだ。

日本への文明の伝来は、朝鮮半島から北九州にもたらされたものだけではなく、大陸から鉄器を含め高度の文化を持った民族が直接南九州に渡来した可能性が見えてきた。東シナ海を渡る航海技術も持ち込まれたに違いない。

西都原古墳群には、前方後円墳型の墳墓と、地下式横穴墓が同時期に造営されているように見える。つまり、ここでは大陸からの文化と北九州の文化が共存していたことになる。そうであれば、先進的なタタラ製鉄による大刀などの鉄製の武器も平和裏に多量に作られていた可能性も出てくる。邪馬台国宮崎説もあながち夢物語とはいえなくなってくる。


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by tnomura9 | 2017-05-11 21:49 | 話のネタ | Comments(0)
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