狗奴国と製鉄

菊池秀夫著『邪馬台国と狗奴国と製鉄』という本では弥生時代や、古墳時代に出土した鉄器の分布を調べてある。それによると圧倒的多数が北九州、熊本、大分に集中していた。製鉄を含め鉄の使用は北部九州に集中していたようだ。

このことと、疑似倭人伝の

「女王国の以北は、其の戸数・道里を略載することが可能だが、其の他の傍国は遠く絶(へだ)たっていて、詳(つまびらか)に得ることができない。斯馬国、己百支国、伊邪国、都支国、彌奴国、 好古都国、不呼国、姐奴国、對蘇国、蘇奴国、 呼邑国、華奴蘇奴国、鬼国、爲吾国、鬼奴国、 邪馬国、躬臣国、巴利国、支惟国、烏奴国、奴国。此れが女王の境界が尽きる所である。

其の南には狗奴国がある。男子を王と為し、其の官に狗古智卑狗(くこちひく)が有る。女王に属せず。」

という記事から狗奴国の狗古智卑狗を熊本県の菊池市辺りであるとしている。阿蘇や熊本県北部に鉄器や製鉄の遺跡が多くみられるため、邪馬台国の強力なライバルであった狗奴国はこのあたりであったろうと推論してある。ただ、狗奴国を邪馬台国の南に位置付けてあるが、上の魏志倭人伝の記事は、列挙してある国名は全て邪馬台国の北部にあり、奴国がその北端で、その南に狗奴国があると読むこともできる。そうであれば邪馬台国が宮崎でも問題ない。

歴史的には奴国がそれらの国の宗主国であると考えたほうが自然だが、邪馬台国は連合国なのでそれを束ねる象徴としての卑弥呼が宮崎平野に居住していた可能性は否定できない。(ちょっと強引かもしれない。)

いずれにせよ、邪馬台国九州説の方が畿内説より自然に魏志倭人伝やその他の事情を説明できるような気がする。


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by tnomura9 | 2017-05-06 13:25 | Comments(0)
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