「ほっ」と。キャンペーン

畑村創造工学研究所

韓国や中国の経済事情を調べていくうちに、これらの苦境が失政の影響を強く受けていることに背筋が寒くなった。先ほどの党首会談でも TPP や原発問題や円高や国の債務の問題などが論じられさまざまな主張が争われた。

しかし、恐ろしいのは、これらの政策のどれかが正解でどれかがとんでもない失敗かもしれないのに、一般国民としてはどれを選択して良いか全くわからないということだ。日本の経済政策の失敗で有名なのは、浜田・井上政権の緊縮財政と金解禁だが、その後の高橋是清の軍拡と赤字国債のインフレーション政策も昭和恐慌からの日本の速やかな脱出をもたらしたものの、軍の暴走による第二次世界大戦への突入とその敗戦への道筋をつけてしまった。

先のことはどんな専門家でも先覚者でも分からないのかもしれない。しかし、ベストの政策ではなくても、最悪のシナリオを避ける工夫だけはしなくてはならないのではないだろうか。そのためには、最悪のシナリオとは何かを知っておく必要がある。それでは、どうすれば最悪のシナリオをあぶりだすことができるのだろうか。

それに関して思い出すのは、畑村創造工学研究所失敗知識データベースだ。

ここには様々なカテゴリーの失敗の事例が公開されている。個々の内容を見ると、失敗の原因がリスク分析を怠ったことや、リスクを熟知している人とリスクのあるシステムを運営している人の間のコミュニケーション不足などいろいろな失敗の要因を分析することができる。

しかし、もっと大事なことは過去に起こった失敗を現在のプロジェクトと比較して、そのリスクを発見することができるということだ。プログラムをする人ならだれでも知っている、「車輪を二度発明するな」という格言にも通じるものがある。

政策の分野でもこのような失敗データベースが必要ではないかと思う。政治家が自分の政策の根拠を述べるときに、失政データベースを引用して議論するという時代が来るとよいと思うのだが。

畑村先生には是非、失敗知識データベースに「失政」のカテゴリーを加えていただきたいと願う。
[PR]
by tnomura9 | 2012-12-01 06:57 | 話のネタ | Comments(0)
<< ピタゴラス数 上海総合指数下落 >>