中国、太陽光発電業界の支援検討

中国が供給過剰のため苦境に陥った太陽光発電業界の支援を検討しているようだ。国営企業による株の購入と経営権の取得、送電の便宜を図るための制度改革などで、中国国内での需要を喚起する意図のようだ。

成長した太陽光発電業界をささえることで、雇用を守ることができ、クリーンなエネルギーを確保できるとの目論見があるようだが、太陽光発電が下火となったのは、結局、発電のコストが割高だったからなのではないかと考えると、危ない気がする。

中国政府の判断の可否は別として、この記事で現代の産業の根本的な問題がわかる。それは、生産力の向上による、市場の飽和の異常な早さだ。

アップルの iPhone でも分かるように、画期的な製品が開発されるとものすごい勢いで売れるが、生産力があっという間に追いついてやがて市場は飽和して、価格競争の消耗戦に入ってしまう。アップルが成功したのは、自前の工場を持たず、生産を中国の工場に依頼して、圧倒的な勢いで初期の市場に大量の商品を供給することができたからだろう。

テレビでスティーブ・ジョブズの映像が流れたときに、彼が「iPod はデバイスではなくてソフトウェアなのだ」と言っていたのが印象に残った。iPod の内部機構は可動部分が一切なく、ICで組み上げられているだけだ。組み立てはどこの工場でもできる。安価に大量に生産できる工場を外部に求めることができるのだ。

シャープがLCDで韓国や台湾の企業に敗れたのは、自社工場にこだわったため、供給のスピードをあげることができなかったからではないか。

こう考えると、サムスンの先行きが心配だ。営業利益の7割をスマートフォンが叩きだしているが、スマートフォンの市場もそろそろ飽和に向かっているような気がするからだ。

また、サムスンが日本の企業を出し抜いて大きな成功を収めたのは、日本の企業が見過ごしていた新興国の需要を発見できたからだ。これも、ある意味の新製品といえる。しかし、それも衆知の事実となってしまい、これからは、消耗戦の時代に入るだろう。

技術の進歩は必然的にさらなる生産力の進歩に向かうだろう。その鍵を握るのが、ロボット技術だ。ロボットは工員のように技能の訓練がいらず、疲れないし、休まず24時間働くことができる。需要が減ったときの維持費も電気を止めるだけなので、給与やリストラのための支払いがいらず、生産調整によるコストもかかりにくい。

これからは、ロボットの利用に長け、どこにもなかった新製品を圧倒的なスピードで市場に供給することのできる企業が生き残ってくる可能性は高い。特許を申請してもメリットが発生する時間的余裕がないかもしれない。
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by tnomura9 | 2012-10-31 07:49 | 話のネタ | Comments(0)
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