日本製品の不買運動に対する中国メディアの警鐘

尖閣問題のデモが終わって沈静化の方向に向かったのか、中国のメディアで、日本製品の不買運動が中国経済の痛手になるという趣旨の文章が現れ始めた。全て検閲をうける中国のメディアなので、中国政府の意向を反映していると思われる。

<尖閣問題>グローバル化時代、日本への経済制裁は自傷行為になる―中国紙

また、ブログにも日本製の薬品の不買運動が自分たちの生命を危険に晒すのではないかという記事も現れた。

<レコチャ広場>日本製医薬品のボイコット、自らの首を絞める行為に―中国

これだけでは、日本の不買運動が終息するのかどうか予測できないが、少なくとも、不買運動に反対する意見を政府が削除しなくなったのは確かだ。日本製品の不買運動が1ヶ月もしないうちに中国経済に少なからず影響し始めたのがわかる。

これらの論点の共通点は、日本製品や生産力と同等の物を中国国内で調達できないという事実だ。商業製品の優秀さが日本の安全保障上の抑止力になっているというのが興味深い。

これを見ると、アイザック・アシモフの『ファウンデーション』を思い出す。資源の乏しい惑星ターミナスに設立された百科辞書編纂を業とするファウンデーションが、大国コレル共和国の宣戦布告を思いもよらない方法で切り抜けてしまう。

『ファウンデーション』はSF小説だが、その中には、技術や文化が軍備とともに国の安全保障に重要な役割をはたすことができるというアイディアが盛り込まれている。

日本の強みは、工業製品が All in one で制作できるということだ。それは、高度な科学技術だけでなく、それらを支える高精度の部品を作り出す職人の技術も含まれている。尖閣問題が今後どういう経過をとるかは余談を許さないが、高い技術を持つということが、国の安全保障の上でも重要であるということが今までになく分かり始めている。

蓮舫元大臣の「2番ではいけないのですか」は有名だが、日本政府は安全保障の上からもそれが間違いであることを肝に銘じる必要がある。日本の技術を継承し守り育てることが日本の安全保障の上で不可欠な要素になるということだ。
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by tnomura9 | 2012-10-22 18:31 | 話のネタ | Comments(0)
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