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尖閣 「2022年問題」

習近平氏の尖閣諸島に関する過激な発言を不思議に思っていたが、尖閣 「2022年問題」の記事を読んで疑問が氷解した。

国際法上実効支配が50年続くと、国際法の判例で尖閣が日本の領土として定着しかねないのだそうだ。尖閣諸島が米軍から返還されて50年後というと2022年だ。この時期には習近平氏はまだ最高指導者の座にあるため弱腰の指導者との批判を浴びると、後継政権への影響力を失いかねない。

そうなると、2022年までには中国が尖閣諸島に対し軍事行動に移る可能性が非常に高くなる。日本はそれに対し十分な準備をしておく必要がある。しかし、歴史的に戦争を行った場合、勝っても負けても良い結果にはならない。とくに長期化した場合にその弊害が著しくなる。たとえ開戦しても早期に和平へと持っていく外交的な準備が必要だろう。もちろん、戦争を未然に防ぐのが最もよい。

尖閣列島の問題は公にしても、棚上げにしても戦争の危険性は一緒ならば、国際的に領有権の正当性を積極的にPRしていく必要があるのではないだろうか。しかし、戦争は最後の最後まで避ける必要がある。好戦的な指導者は日本には要らない。

こういう条件下で中国が日本に対して経済制裁の手を緩めるとは思えない。この経済制裁にしても諸刃の剣で日本への打撃よりは中国国内での打撃の大きいことは、中国は先刻承知だろう。それでも、しゃにむに経済戦争を継続させるかもしれない。

中国の日本に対する経済制裁は欧米諸国のイランに対する経済制裁とは種類が違う。中国と日本の経済関係は相互に密接に結びついており、ひとつに介入すると思いもよらない所にその影響が現れるだろう。いわゆる、複雑系と考えて良い。複雑系の恐ろしいところは、ほんの小さな介入でカタストロフィックな結果が出る場合があり、しかも、それが全く予測できないことだ。中国と日本発の世界恐慌が起こるかもしれないといってもあながち誇張ではないかもしれないのだ。

今、何よりもしなくてはいけないのは、このような複雑な中国と日本との相互作用をきちんとモデル化して、危機に対応できるようにしておくことだ。政治家の仕事は、表に現れる大舞台の役者として働くことだ。しかし、もっと大切なのはそれを支えるための裏方の能力を十分に高めておくことだ。

あと10年の余裕はないかもしれない。「失敗学」の川村教授ではないが、起こりえる全ての可能性を検討できる頭脳集団を早急に作ることが必要だ。ただ、その頭脳集団は実務のできる頭脳集団でなければならない。頭でっかちの経営がどんな弊害をもたらすかは過去の日本航空の例をみれば一目瞭然だ。本当に国運を任せることのできる頭脳集団を作ることが必須だ。

今度の問題は2,3年我慢していれば何とか収まるだろうという類のものではないと思う。中国政府の統治の根本にかかわる問題になってくるかもしれない。そうなったら、なりふり構わないだろう。甘い期待は捨ててしっかりと現実と向き合って、戦争という愚かな解決を何とかして避けて、日本も中国も生き残っていくための方策をあらゆる観点から考えないといけない。

日本と中国との本当の敵は開戦へのうねりなのだ。
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by tnomura9 | 2012-09-25 22:44 | 話のネタ | Comments(0)
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