高温ガス炉

新世代の原子炉にはCANDLE炉以外にも高温ガス炉というものがあるらしい。

炉心の冷却に水ではなく、ヘリウムを使う。ヘリウムは化学反応を起こさないため燃料や配管が腐食しにくい、水を使わないので、配管の設計を簡素化できる、炉心に耐熱性の高い黒鉛を使用、炉心が融解しない設計が可能などの特徴がある。非常時にも冷却水の炉心内への強制注水ではなく、圧力容器の外から冷却できる。

欠点は大型化ができないことらしいが、発電以外に地域の暖房用熱源や水素燃料製造などに使えるという。

NHK教育の深夜番組で、原子炉のメルトダウンが経済性を優先させるために原子炉を大型化したのが最も大きい原因だったと放送されていた。原子力潜水艦のような小さな原子炉ではメルトダウンは起こらないそうだ。現場からの心配を他所に、米ソの政治的対立や、製造、運営の経済的理由で原子炉が大型化され、炉心融解の潜在的な危険性が高まってしまったというものだ。

原子炉の規模が安全性にたいして最も大きな要因だったというのは目から鱗の事実だった。

原発問題にかぎらず、意思決定について、政治や経済がキャンペーン化するとどうしても暴走が始まる。現場の知識が欠如しているからだ。日本航空が立ち直ったということで稲盛CEOのインタビューがあったが、頭だけの経営を現場重視の経営に変えることが重要だったというコメントがあった。

NHK教育の報道では、そのような細かい知識に対する配慮を一般市民が持つということの大切さを感じさせられた。

自分の知らないことに対する細かい議論を聞くのは理解できないし、面倒だ。しかし、そういうものに対する普通の市民の認識のレベルをどう高めていくかが、国土も狭く資源の乏しい日本という国が生き残っていくために欠かせない条件なのではないだろうか。国民全体が本当に落ち着いた正当な判断力をもつことこそが、真の国の安全保障につながるのではないか。

深夜番組であれ、NHK教育のような番組が放送されているということは大切なことだと思う。

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by tnomura9 | 2012-09-20 07:34 | 話のネタ | Comments(0)
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