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国土交通省の「ノアの方舟」

国土交通省が高知県の津波対策として「ノアの箱舟」計画を提案している。大型船のグラスファイバー製の救命ボートを改造して、25人乗りの救命艇を作る。費用は一隻あたり300万円だそうだ。

高知県内の老人施設や保育所に1000隻の配備を予定している。2万5千人が救われる計算になる。津波の際に高台へ避難するのに比べ、避難までの時間が数分で済み、自分で動けない入所者も移動することができる。総額で30億円ほどかかるが、防潮堤は1箇所で1000億円単位の費用がかかり、効果もはっきりしない。

1000隻のボートの回収をどうするのか、周辺の住民までが避難してきた時にどうするのか、こどもがボートで遊んで怪我をする危険はないのか、メインテナンスはどうするのか、めったに使用しない機具なので津波の時に実際に使えるのか、同様の理由で避難演習がきちんと実行されるだろうか等の問題点は残るが、防潮堤などに比べて費用対効果比が大きい。

アイディアだおれではないかという危惧もあるが、船舶の救命艇を改造するので、初期不具合はあまりないだろう。また、避難までの時間が圧倒的に短い。何と言ってもコスト・効果比が魅力的だ。

この政策の良いところは、津波から人命を守るという本質に注目していること。老人や子供は退避のために長い距離をすみやかに移動することが難しいという見逃せない問題点に配慮していること。既存の救命艇のように使用実績のあるものを転用して不具合の発生を防ぐ工夫をしていること。津波は明日来るかもしれないので、早急な対応が必要とされているがそれに極力間に合う方法を考えていること。費用対効果にたいして十分に配慮していることなどだ。

これらは、単にスローガン的なトップダウンからの発想からは思いつくことはできないだろう。発想の中に現場の匂いがする。

このように柔軟で現場に即した政策はどんどん打ち出して欲しいものだ。
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by tnomura9 | 2012-02-27 12:52 | 話のネタ | Comments(0)
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