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葛飾応為

数日前、葛飾北斎の一生がNHKの番組で放映された。終わりの方で北斎の晩年に起居を共にした北斎の娘の応為の話が出てきた。北斎が何十年も筆をとっているのに猫一匹うまく描けないと涙ぐんだときに、自分が未熟だと知っていることが大切だと慰めたという。

その応為の作とされる夜桜美人図が映されていた。うら若い美女が庭で夜中に庭の灯篭の明かりを頼りに和歌をしたためている。宵闇の庭の中で、灯篭に照らし出された彼女の白い顔と手元、そうして庭の桜の花だけが浮き出て明るい。また、彼女の足元には背の低いもう一つの灯篭があり、彼女の着ている華やかな着物の裾を浮き立たせている。明るいのは色鮮やかなその二ヶ所だけであたりは闇に沈んでいる。しかし、空を見上げると満天の星空だ。なんとも独創的で幽玄な構図だ。また、女性の顔も気品のある緊張感を感じさせる。

この絵が気になって仕方なかったのでネットで探していたらいい記事を見つけた。

葛飾応為《夜桜美人図》抒情と科学の暗闇──「安村敏信」

不美人で、掃除をせず、嫁ぎ先の夫の絵を笑って離縁になり北斎と住むようになったらしい。着るものにも、食べ物にも無頓着で、北斎の絵の手伝いをしていたが自分の名前で絵を発表しようとはしなかった。上に述べた代表作の夜桜美人図にも落款はない。雅号を持つようになったが、北斎が自分のことを「オーイ、オーイ」と呼ぶから応為としたらしい。また、北斎の書く枕絵などにも積極的に手伝ったりアドバイスしていたりしていたようだ。着物を着せた木製の人形がヒットし巨万の冨を得るが、北斎の死と共に出家し消息不明となった。なんとも不思議なひとだが、この絵のアイディアや腕前はただものではない。

こんな人もいたのだ。
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by tnomura9 | 2012-02-24 23:51 | 話のネタ | Comments(2)
Commented by にゃお at 2012-02-27 11:26 x
お栄を中心に描いた杉浦日向子の「百日紅」という漫画があります。
なかなかいいですよ。
Commented by tnomura9 at 2012-02-27 16:46
にゃおさん、コメントありがとうございました。
「百日紅」アマゾンで注文しました。杉浦日向子さん本人も興味深い人のようですね。
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