日本は情報活動をもっと活用すべきだ。

尖閣諸島の問題は、はっきりした非難合戦に発展せずに収束しそうだ。

国境問題のような微妙な問題は水面下の交渉の方が大切で、今度の中国のようにあからさまな対抗措置などをとると戦争へ発展する危険性が高くなってしまう。日本と中国のように潜在的な実力が伯仲しているような国の間の戦争では、たとえそれが経済戦争であったとしても、一方的な勝利などはありえず双方ともボロボロになる可能性が高い。この意味で、今回の日本の一見弱腰にも見える抑制された外交は評価できると思う。

だからといって中国の力による外交への傾向がこれからもなくなるわけではないだろう。しっかりした外交の対策が必要だと思われる。

その際に最も重要なのは情報活動だ。歴史を紐解いても、名将といわれた武将はいずれも諜報活動を重視している。毛利元就、織田信長、武田信玄。圧倒的軍事力を持っていたにも関わらず、彼らは、しかし、非常に諜報活動を重視していた。

今度の尖閣諸島の問題についても、強硬派は誰なのか、中国の政治にどれくらいの影響力を持っているのか。それらの人たちの国際感覚や、経済に対する理解力はどの程度なのか。どうして、中国の政治に影響力を持っているのか。また、それらに対抗する勢力はないのか。などの情報がなければ、経済交流を引き上げるべきなのか、高度技術の禁輸をすべきなのか、あるいは武力衝突の対抗策を準備しておかなければならないのか。あるいは、文化交流などで相互理解に務めるべきなのかなどの施策を決定することはできない。

要するに、相手をよく知らなければ適切に対応することができないということだ。諜報活動と言っても、秘密の情報を得ようと努力することが全てではない。諜報活動の大半は、新聞やメディアの発表やネットの意見を分析することで行うことができる。公式や非公式に発表されている事柄の関連性を吟味すれば、相手国の意図の大半は予測することができる。大切なことは相手をよく知ろうとする努力だ。

諜報活動というと、イラク戦争の核兵器の問題など諜報機関の失敗例ばかりが目立つが、それは、諜報活動による情報が多すぎて取捨選択が難しいためではなかったのだろうか。石ころのような報告を比較検討して、現実に何が起こっているのかを推測する冷静な頭脳が欠けていたのだろう。また、権力の側に諜報活動の意義に対する理解がなく、そういう頭脳からの報告があっても行政機関が無視をしてしまったのかもしれない。

行政的な判断をする権力者には、諜報活動による情報を的確に判断する能力が必須のようだ。
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by tnomura9 | 2010-10-05 13:13 | 話のネタ | Comments(0)
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