メタボリックシンドローム

最近内臓脂肪の蓄積するタイプの肥満に注目が集まっている。このタイプの肥満は、体表面の皮下脂肪が蓄積するタイプの肥満と違って、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの疾患を併発しやすい。いわゆる、メタボリックシンドロームである。

内臓脂肪も皮下脂肪も脂肪組織には変わりないので、どうして内臓脂肪だけが悪いのか理解に苦しむが、現実にそうらしい。

これも、門脈と肝臓の関係を考えると説明がつくような気がする。肝臓の毛細血管(類洞)には肝動脈と門脈からの血液が混合して流れこむが、その比率は1対4くらいで門脈からの血流が圧倒的に多い。内臓脂肪から分泌されるペプチドや脂肪酸の肝臓への影響は、動脈血からの影響の4倍も強いことになる。

また、皮下脂肪の脂肪細胞からの分泌物は、静脈に放出されても肝臓に届くまでには、かなりの距離血管内を移動しなくてはいけないし、肺の毛細血管も通過しなくてはならない。血管の内皮細胞の表面にはいろいろな酵素が露出しているから、それらに処理されてしまって肝臓に届かない可能性もある。内臓脂肪からのペプチドや脂肪酸はそういった制約を受けないので肝臓に直接作用できる。

門脈という特殊な血管の走行と肝臓との関係は、普段はあまり考えないことが多いが、全身性の疾患である糖尿病やメタボリックシンドロームとも深い関わりがありそうだ。
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by tnomura9 | 2010-09-24 12:02 | 話のネタ | Comments(0)
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