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白衣高血圧

普通の生活では血圧は正常なのに、病院に行くと高血圧になる人がいる。

このような人は「白衣高血圧」であるといわれるが、病院で血圧が高くても脳出血などの危険性は正常血圧の人とあまり変わりない。また、更年期になって血圧が急に上がる人がいる。このような人は血圧の変動が激しいことが特徴だ。血圧が収縮期で200mHgにまで上昇するかと思うと、何もしないのに120mmHgの正常血圧を示したりする。

このように血圧が上昇するのは交感神経の緊張が高いせいだと言われている。実際、交感神経の末端から分泌されるノルアドレナリンやアドレナリンを注射すると、血圧が強く上昇する。

ところが、普通の状態では血圧はかなり狭い範囲で安定している。これは、頚動脈洞にある圧受容器が血圧を感知して血圧調節中枢に情報を送っているからだ。血圧のコントロールについては、かなり強いフィードバックコントロールが掛かっているのだ。

フィードバックコントロールといえば、例えが古いが、昔の電気炬燵のことを考えてみるといい。ヒーターの熱が強くなって炬燵の温度が上がり過ぎると、バイメタルが高温のために変形するために接点が切れてヒーターへの電流が流れなくなり、炬燵の温度が下がる。下がり過ぎるとバイメタルが伸びて接点がつながり炬燵の温度が上がってくる。この仕組のおかげで炬燵の中の温度を一定の範囲にコントロールすることができる。

電気炬燵ではこのようにフィードバックコントロールがかかっているために、ヒーターにかける電圧を上げて温度をあげようとしても、温度は一定のままだ。温度を変更しようとするためには、センサーの設定値を変えなければならない。

そう考えてみると、ノルアドレナリンの注射で血圧が上がると言っても、単純に末梢血管の収縮が起こるせいだとばかりは言えなくなる。フィードバックコントロールのかかっているシステムでは、エフェクターを変化させるより、センサー部分の設定の変更をしたほうがエネルギー的にずっと有効だからだ。

血圧のシステムの場合、センサーの設定がどこで行われているのかは分からない。頚動脈洞の感度を変化させるのか、それとも、中枢でコントロールされるのか、また、どのような神経回路でそれが行われているのかを一般にも分かるように解説したものを見たことがない。

実際には、そのようなメカニズムのことを考えなくても、高血圧は降圧剤を飲むことで安全に下げることができる。しかし、白衣高血圧や更年期の高血圧のように処方に困る例があると、血圧システムの中身がどうなっているのか気になってくる。
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by tnomura9 | 2010-09-22 06:41 | 話のネタ | Comments(0)
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