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非言語的知識の伝達

iPod のパズル『Unblock Me』をいじるようになってから、言語化できない知識やスキルが気になってきた。

非言語的知識という観点から、あれこれ考えてみると、本当に多くの実際的知識は言語化されないのに気がついた。実生活に有用な知識の大半が非言語的知識なのに、学校で教えられるのが言語的知識ばかりだったら、教育の費用対効果に問題が出てくるのではないだろうかと思う。

非言語的知識のうち最も重要なのが、社会性やコミュニケーションの能力だ。これらの知識は以前は、祖父母や親戚や親の友人や、学校でのクラブ活動などで身につけていた。まとまって、体系的に教えられることはなかったが、なんとなく行動している日々の生活の中で豊富な知識が伝えられていた。

これらの非言語的知識が伝達されなくなったのは、核家族化が重要な原因の一つではある。また、もう一つは子どもが学校外の活動で極端に忙しくなったのもある。しかしながら、交通機関の発達により、個人の活動範囲が広がったために、社会習慣が流動的になったという面が大きいのではないだろうか。ピレネー山脈のこちら側と向こう側では価値観が全く変わってくる。昔は山を超えて移動することは余りなかったので問題は発生しなかっただろうが、今は、簡単に山を超えて行き来することができる。

以前は体育会系の学生が採用の際に有利だったが、最近はそうでもないというのは、そういう社会の慣習の流動性を表しているのではないかと思う。

非言語的知識は眼に見えないので、伝達が難しい。しかし、教育の効率という観点からは避けて通れない問題だ。
by tnomura9 | 2010-08-14 09:16 | 考えるということ | Comments(0)
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