自動車革命

昨日NHKで「自動車革命」というルポルタージュをやっていた。今世界的に自動車の動力がガソリンエンジンから電気へなだれを打つように変化しているとのことだ。困ったことに、ガソリンエンジンと電気自動車では生産の構造が全く異なっているため、産業構造が劇変する可能性がある。これが、何を意味するかというと、自動車の部品関連の産業の破局的な不況が来るかもしれないということだ。

ガソリンエンジンで培われた技術は、電気モーターで走る電気自動車には全く必要なくなる。ガソリンエンジンを作るのには非常に高度な技術が必要なので、技術と資金をもたない中小企業が参入する余地はない。大手メーカーは、ガソリンエンジン製造というコア技術を占有することによって市場を支配できていた。しかし、電気自動車の場合コアとなる電気モーターは入手が容易であるし、それをコントロールする仕組みも比較的簡単なので、中小のメーカーの参入が容易だ。競争が激化し、大手メーカーであっても安心できなくなる。

また、ガソリンエンジンが不要になるということは、それを作るための部品メーカーが全く不要になるということだ。金融危機どころの騒ぎではない。さらに、電気モーターはあまり発熱しないので、車体に鉄板ではなく合成樹脂を使うことによって軽量化ができる。鉄鋼関係の需要も激減しかねないのだ。

また、ガソリンエンジンの部品を作る工場がなくなってしまうということは、経済的な問題だけでなく、ガソリンエンジンの部品を作るための高度なノウハウもまた蒸発してしまうということを意味している。リストラで熟練工を失った工場の事故が増加しそれによる損害が多大であるのを見ても、技術を失った日本がどうなるのか空恐ろしい気がする。

これらの変化は、新型インフルエンザと一緒で、いつ来るかはわからないが、必ず来る変化だ。「己を知りて、敵を知る」ということが切実に必要な時代が到来目前だ。
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by tnomura9 | 2009-10-19 07:31 | 話のネタ | Comments(0)
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